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「まさか」の人に起こる異常心理82

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:振顫譫妄、アルコール幻覚症 アルコール依存症者のいる家庭の家人は、「まさに地獄」と表現している。大酒飲みを家人が気がつい
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振顫譫妄、アルコール幻覚症

 アルコール依存症者のいる家庭の家人は、「まさに地獄」と表現している。
大酒飲みを家人が気がついて、酒を制限し始めると、本人はうそをつき、酒を庭の草むらやテレビの背後に隠したりするのである。そのために自己評価を下げ、プライドを失い、そのマイナス、うつ感情を補うためにさらに酒におぼれるという悪循環に陥るのである。
依存的になると一日の生活がすべてアルコール中心となり、抑制心理を超越する飲酒欲求が高まり、酒量を減らしたりすると禁断症状(いまは退薬症状と呼ぶこともある)が出現するので、それを軽減するためにまた飲酒量をふやすことになる。
その症状には手指振顫、全身ケイレン、幻覚、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、不眠、食欲不振など多彩なものがある。中でも「振《しん》顫《せん》譫《せん》妄《もう》」という幻覚を伴う症状は横綱格である。こうなるには大量飲酒十年というキャリアを必要とする。したがって中年以上の人に多く見られる。振顫という意味は手や体がふるえることである。最も重要な症状は小動物幻視と呼ばれるもので、いろいろな小動物(虫が多い)が布団や床の上に大量に押し寄せてくるような幻視を見ることが多い。
中には大蛇が寝所に入ってきて体に巻きついたという、上杉謙信の話のようなケースもある。わずか四十九歳で死んだ謙信は濁り酒(どぶろく)を一日平均一升以上も飲んだといわれ、死亡の二、三年前の文字はひどくふるえている。毛利元就の父、弘元もわずか三十九歳で死んでいるが、やはり振顫譫妄の症状があった。
以前、ハリウッド映画で「失われた週末」というアルコール依存症を扱った映画があったが、それにも大蛇があらわれる場面が出てきたのを覚えている。
次に大関格と思われるものに、「アルコール幻覚症」がある。中心症状は幻覚、特に幻聴である。この幻聴はかなり特徴的なものだ。精神分裂病などに見られる幻聴は病者に直接言ってくる。つまり悪口や批判、命令などの声が本人あてに言ってくるのが多いが、この場合はそれとは違って、第三者同士の会話の格好で聞こえてくるのだ。隣室で複数以上の人が会話している声が聞こえてくる。しかも、その会話の内容が自分に関することで、悪口や自分に危害を加える相談であったりする。
このタイプの幻聴は今、社会に蔓延している覚醒剤中毒にも見られる。覚醒剤中毒者はこの幻聴や、向こうから歩いてくる人や群衆が自分の敵であるという被害妄想から通り魔的な犯行を犯すことが少なくないのである。
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