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無花果少年と瓜売小僧53

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:  53 その日から木川田くんは、もう磯村くんの部屋には帰って来ませんでした。正確には�次の日の朝から�でしたが。 朝起き
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  53
 その日から木川田くんは、もう磯村くんの部屋には帰って来ませんでした。正確には�次の日の朝から�でしたが。
 朝起きたらもう、木川田くんはいませんでした。昨日の晩「頭が痛い」って言ってスグ、洋服のまんま寝ちゃった木川田くんがいないので、磯村くんは「あれ?」と思いました。
布団は敷きっ放しで、木川田くんだけがいないから、「トイレにでも行ったのかな?」とか、磯村くんは思いました。
�トン、トン�とドアを叩いたら音がなくて、開けてみたらトイレのドアは開きました。
「どこに行ったんだろう?」と思って、布団の中に戻りましたが、でもバイトに行かなきゃならないので、磯村くんは起きなくちゃなりませんでした。
磯村くんの隣りでは誰もいない布団が白い中味を覗《のぞ》かせて、まるでアンコの入ってない柏餅みたいでした。
「オーバーもないし」と思って、昨日の晩流しの床に脱ぎっ放しのまんまになっていたオーバーがなくなっているのに磯村くんは気づきました。
「ひょっとしたら押入れの中かな?」とも思いましたが、そんなことはないと思っているのはそう思った磯村くんその人でした。
「どこ行ったんだろう?」と思って、「でも起きなきゃ」と思って、磯村くんは、自分の布団を畳みました。
自分の布団だけ畳んでお湯を沸しに流しのところまで立って行った磯村くんは、流しの側に敷いてある木川田くんのお布団が邪魔になって、それをそのまんま、部屋の中央まで引っ張って行きました。
「一緒に畳んじゃおうかなァ」とも思ったのですが、そう思った途端、「ひょっとしたらあいつ、薬でも買いに行ったのかな?」と磯村くんは思いました。「昨日の晩、�頭痛い�って言ってたから」——。
カーテンを開けた部屋の真ん中に一つだけ、白いカバーのかかった布団が敷いてあるのを見ると、やっぱり木川田くんは病気なんだと、そんな風に納得出来るようでした。
「このまんまにしといてやろう」と思って磯村くんが部屋を出たのは、朝の九時五十二分のことでした。
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