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無花果少年と瓜売小僧62

时间: 2020-01-31    进入日语论坛
核心提示:  62 十時を過ぎた頃、磯村くんは「どうする?」って訊きました。「帰るよ」って、木川田くんは言いました。「うん」て、磯村
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  62
 十時を過ぎた頃、磯村くんは「どうする?」って訊きました。
「帰るよ」って、木川田くんは言いました。「うん」て、磯村くんは言いました。それは、どっちかっていうと「うん……」ていうような「うん」でした。
「誰か、付き合ってる人いるの?」
木川田くんは訊きました。
「ううん」
磯村くんは言いました。
「こいつの�ううん�はあてにならないからなァ」と思って、木川田くんは「ホント?」と言いました。
「誰か付き合ってる人いるの?」
今度は磯村くんが言いました。
「ううん」
木川田くんも言いました。
「そう」
そう言って磯村くんは、「木川田のことってよく分らないし」って、そう思いました。
どっちも正解で、どっちもずれた答でした。
「終電て、何時?」
木川田くんが訊きました。
「十一時半ぐらいだったと思うけど……」
磯村くんが言いました。
「泊っていきたい訳じゃないけど、でも、一人で帰るのってヤだな」って、木川田くんは思っていました。あの光の点《つ》いた電車に乗って夜の中を帰って行くと、いつか滝上くんに会った時の夜のことを思い出すからです。そんな心細さがしたからです。
「帰したい訳でもないけど、でも、泊めるのって、なんとなく、ヤだな」って、磯村くんはそう思いました。
駅まで送ってく時の晴々とした気持って、やっぱり後めたいことなんじゃないかって、こないだ竜崎頌子ちゃんを送って行った時のことを思って、磯村くんはそう思ったのです。
「だって、今木川田を送り出しちゃったら、僕って一人ぼっちになってしまうもの」って、磯村くんは、晴々とした顔の後にあるさっぱりした気分の、その後を思ってそうためらいました。
誰もいないのは寂しいのです。だから、あんな訳の分らない関係を女の子と続けていたのです。
磯村くんは、�いつも甘えていたい木川田くん�になってしまっていました。
でも木川田くんは、「やっぱり帰ろう」と思っていたのです。
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