親の八〇パーセントが、
「将来、子供に厄介をかけたくないから、一緒に住まない」
と言っているのに、子供の八〇パーセントが、
「将来は親の面倒をみたいから、一緒に住む」
と言っているんだそうな。どこの調査か忘れたが、おたがいに譲り、譲られ、うるわしい親子の情の発露ごっこをしているみたいで、なんかウソっぽい。
きのうまで、彼らは、
「親を見りゃボクの将来知れたもの」
と言っていたのである。そんな連中が、結婚する段になって、急にしおらしく「親の面倒をみたい」ナンテ言い出したって、誰がホントにするものか。
——とは思うけれど、親は馬鹿だから、たとえお世辞でも、子供たちに「親の面倒をみたい」と言ってもらえば、それだけで嬉しいのである。そうすりゃ「いいよ、いいよ」と、笑って断るはずである。
そう言ったら、
「そうか。お世辞でいいのか」
と言うから「そうさ。お世辞でいいんだ」
と、答えたら、
「これはお世辞だから、本気にされちゃ困るけど」
と前置きして、
「オレ、親の面倒をみるよ」
と言った奴がいる。ホント、面倒みきれない。