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撫で肩ときどき怒り肩14

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:イワタ君あそぼ 担任からは見捨てられ、各学科の教師からも罵倒された私たちは翌年に受験をひかえた十二月になってもまだボーッ
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イワタ君あそぼ

 担任からは見捨てられ、各学科の教師からも罵倒された私たちは翌年に受験をひかえた十二月になってもまだボーッとしていた。青くなって予備校に通っているのは八十七点をとって泣いた彼女くらいのもので、女の子の二大関心事は肥満と化粧で男の子のほうは女だった。受験をひかえて禁欲的な生活を送るなどということは全然考えず、キャンキャンいいながら女の子をおっかけまわしていた。
ある日ノムラ君が休み時間に私のところにきてニヤニヤしながらいった。
「おまえ、今日ヒマかよ」
私はギョッとして、
「は?」
とききかえした。
「何かカンちがいしてんじゃないの? オレそういう意味でいったわけじゃないの」
「そういう意味ってどういうことよ」
「えっ、いちいちうるさいヤツだなぁ」
「うるさくて悪かったね! 何だっていうのよ。早くいいなさいよ」
「全くもう、すぐ怒るんだからなぁ。ま、いいや、あのさ、イワタのことなんだけどさ……」
彼がクククッと笑いながらいうには、このところ彼は下級生の女の子とつきあっていて彼女にみごとに骨抜きにされている。このままほっておくのは来年の受験にも悪影響を及ぼすこと必至なので、友人としてはここで彼の目をさまさせてやろうというワケなのであった。
「別に誰とつきあおうが、イワタ君が受験に失敗しようが関係ないじゃないよ」
私は面倒くさくなってそういった。
「ちがうんだよ。毎日毎日さ、彼女を自分ちに連れこんでるんだぜ。あの家親も兄貴も勤めてるからさ、昼間は誰もいないんだよ。だから最近あいつおかしいと思わない? ボーッとしてるだろ」
「あら、ボーッとしてるのは前からよ」
「おまえって本当に口が悪いな。ま、いいからきょうの放課後四時に中庭で待ってるからさ、こいよ」
そういってノムラ君は去っていった。面と向かって彼をさとすのか具体的な方法はわからなかったが、別段私もすることがなかったので、とりあえず約束の時間に中庭にいった。そこには同じクラスの子が他に四人きていた。
「さあ、今からイワタんちへいくぞ」
ノムラ君は元気にいった。
「いってどうすんの」
「面白いことが起きるんですよねぇ、これが、フフフ」
ノムラ君は詳細を全く教えてくれない。まあ、今日のところは黙っていわれるがままにしていようと腹をきめてイワタ君の家に向かった。
彼の家は古い木造のこぢんまりとした家だった。一体どうするのかと思ってみていると、ノムラ君は小さい声で、
「あそこの窓がイワタの部屋の窓なんだ。だからあそこの窓の前にいってせえーの、でみんなで、イワタ君あそぼっていうんだよ」
といった。
「イワタ君いるの?」
一緒にくっついてきた女の子がきいた。
「いるに決まってんだろ、今彼女を連れこんでるんだから」
「えーっかわいそう、そんなの」
と私たちはいいながらも、うろたえるイワタ君の姿を想像するとおかしくてたまらず、手で口をおさえてクスクス笑った。
「しっ、静かに」
ノムラ君は小声でいって私たちを窓の前に並ばせた。おかしくて肩をふるわせながらずっと手で口をおさえていた。
せえの、のかけ声で調子をあわせて私たちはとてつもなく大きい声で、
「イワタ君、あーそーぼ」
といった。家の中はしーんとしていたが、かすかにカーテンが動いたような気がした。
「イワタ君、あーそーぼ」
またみんなで呼んだ。それから私たちは声をそろえて何度も何度も連呼した。七、八回呼んだあと家の中から不愉快そうな、
「あーとーで」
という低い声がきこえてきた。私たちはふき出しそうになってみんなで口をおさえて一目散にその場を去った。しばらく走ったあとガマンしきれなくなりギャハハハと無邪気に笑った。イワタ君は疲労がたまっているのか授業中に寝てばかりいた。案の定彼はみごとに大学受験に失敗し、親身の金もうけでおなじみの某予備校に行った。私はまぐれで大学に入った。そしてあのノムラ君も補欠からの繰り上げで私と同じ大学にひょっこり合格してしまったのだった。私はキャンパスでばったり会った彼にむかって、
「あんた、実は私にホレてて後追ってきたんじゃないの?」
といってやった。彼は、
「嫌な女だなぁ……もう……」
そういいつつ暗い顔をして学食へ入っていった。私は内心、ヒマなときにイジめる相手がみつかってよかったよかったと思っていた。
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