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撫で肩ときどき怒り肩21

时间: 2020-02-08    进入日语论坛
核心提示:三十路をすぎて ところが、独身の友人にそういうと、「あんた、結婚すると女は変わるのよ。彼女はきっと性にめざめたのよ」と、
(单词翻译:双击或拖选)
三十路をすぎて

 ところが、独身の友人にそういうと、
「あんた、結婚すると女は変わるのよ。彼女はきっと性にめざめたのよ」
と、成人映画のタイトルみたいなことをいう。
「まっさか」
と、笑うと、彼女はニコリともせずに、
「あんた、好きな男と寝たいと思わないの」
と、目をつりあげて詰問する。
「そうねえ。私は好きな男とは寝ないのがいちばんいいと思ってるんだけど」
と、答えた。すると、彼女は問題ありげに、
「それは、女性ホルモンの欠如よ」
と、きっぱりといい切り、そのうえ、
「あんたは、まだ精神的にガキなんじゃないの」
などといわれてしまった。私にしてみれば、「昼間、家のなかに一人でいるのがこわい女」のほうが、よっぽど精神的にガキのような気がするが、彼女がいうように、三十すぎても私みたいなことをいっているようでは、ガキといわれても仕方ないかもしれない。でも、男と一生懸命寝まくった女がいい女になっているかというと、かならずしもそうではないから、私はこれでいいのである。
しかし、そういう彼女の今までの男関係をみると最悪である。どいつもこいつも、人のいい彼女の体と金をめあてに寄ってきたとしか思えない。それでも彼女は、彼らのことを悪くいわない。どうしてかしら、とよく考えてみたら、彼女は男に対して「加点法」なのに、私のほうは「減点法」なのだ。
まず、非常に彼女は間口が広いというか、あらゆる男に対して寛大である。私のほうは男に限らず、人の好き嫌いが激しいから、嫌な奴とは絶対に会いたくない。そして彼女は、第一印象が悪い男とも会って、彼のよいところをみつけて好きになる。しかし、私のほうは第一段階をパスした男には、まず持ち点10点をあたえる。そして、私がカチンときた行動、および発言をするたんびに1点ずつ減点し、0点になったときには、
「はい、さようなら」
という方式でやっていた。ところがこれが通用したのも二十代までで、三十路《みそじ》を過ぎて私も身のほどをわきまえてきたので、最近はこの方式は適用されていない。なかには、
「最初嫌いでも、寝ればどんな男でも好きになっちゃうわ」
という、大胆な発言をした友人もいたが、私のように第一印象決定主義だと、いつになったらそのような関係になるか予想もつかない。
よく見合い結婚をした夫婦が、
「最初は、それほどじゃなかったけれど、一緒に暮らしてみて、いいところがいろいろとわかった」
なんていうことをよくいっているが、私にしたらそんなことは神業にちかい。それほどじゃない人と一緒に暮らすなんて考えられない。そういう考え方ができる人は、人と暮らすのにむいた人なのだろう。
しかし、こうはいいつつも、もしかしたらこれから、いままでの考えを覆してしまうような男が現われるかもしれない、と、ほんのちょっぴり期待している私なのである。
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