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撫で肩ときどき怒り肩89

时间: 2020-02-09    进入日语论坛
核心提示:一に洗濯、二に掃除、三、四がなくて五に料理私は料理が苦手である。一人暮らしをはじめて、一番困ったのは料理である。私の好き
(单词翻译:双击或拖选)
一に洗濯、二に掃除、三、四がなくて五に料理……

私は料理が苦手である。一人暮らしをはじめて、一番困ったのは料理である。私の好きな家事のランキングは、第一位が洗濯。これに関しては異常な執着をもち、洗濯して干してみて、汚れが落ちてないと、すぐまた洗う、ということをくりかえしたこともある。白いものは真白くないと気がすまない。シミが一つついても逆上して、やっきになってシミ抜きをしてしまうのである。
でも、今は洗濯機があるからいいが、一人暮らしをした当初は、電話も洗濯機もなかった。タライを買ってきて、シコシコと手で洗っていると、いつまでたっても汚れが落ちないような気がした。あまりに必死にやりすぎて、手のひらの皮がムケてしまい、それを目ざとく見つけた友だちに、「水虫?」などといわれて、腹を立てた覚えがある。
今でも西によい柔軟剤があるときけば試し、東に真白く仕上がるアメリカ製の洗剤があるときくと、早速でかけていって購入する、といった具合で、洗濯に関しては、「洗剤」「洗いかた」「干し方」にまで、しつこくこだわっているのである。
一位の洗濯から、やや落ちて二位は掃除である。どうせ一人暮らしだから、汚れても我慢すればいいのだから、ホコリに関しても鷹揚《おうよう》である。毎日するのは面倒くさいので、目についたところをコチョコチョとやるだけ。二週間に一回の割で、突然、
「よーし、きょうは家中ピッカピカにしてやるぞー」
という気分がムクムクと頭をもたげてくる。そのときに、三角巾で頭をおおい、袖付きエプロンにゴム手袋という、お掃除スタイルで、全部まとめてやってしまうのである。蛇口の汚れ、洗面所の黒ズミまで、古ハブラシを使って、きれいにする。そして、どこもかしこもピッカピカになると、
「ざまーみろ。こんなにきれいにしてやった。ワッハッハ」
と、誰にいうわけでもないのに、ガオーッと天にむかって吠えるのである。
で、問題の料理であるが、これは、一位と二位からズドーンと、相当下がった位置にある。なにしろ一人暮らしをはじめたとき、何を作っていいか頭に浮かばないのである。そのせいか一週間で二キロ、やせてしまった。それからは手あたりしだいに本を買いまくり、あれこれ研究してみたが、基本的に料理のセンスがないから、どうもうまくいかない。おまけに、良い鍋を持っていれば、おいしい料理が作れる、という誤解をしていたため、家には結構上等な鍋が揃っている。しかし、実力が全くともなわず、何万円もする鍋を前にして、点目になってボーッとしている始末なのである。
見事なまでの、鍋のもち腐れなのだが、私の料理を食べた友人は、
「料理はヘタだけど、鍋だけはよく磨いてあるね」
という。皿洗いや跡始末はいくらでもするから、毎日料理を作ってくれる人がいたら、どんなにいいか、と思っている。
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