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世界昔ばなし03

时间: 2020-02-13    进入日语论坛
核心提示:不思議なひきうす 解説 昔むかしのお話です。大金持ちの兄と貧乏な弟がいました。大金持ちの兄は大きく立派な家に住み、貧乏な
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不思議なひきうす
                                                                       →解説 

昔むかしのお話です。大金持ちの兄と貧乏な弟がいました。大金持ちの兄は大きく立派な家に住み、貧乏な弟は小さな小屋に住んでいました。大金持ちの兄の家には、物があふれ、入りきれないほどでした。
そして、クリスマスがやってきました。貧乏な弟は大金持ちの兄を訪ね、クリスマス用の豚肉のかたまりを分けてくれるようたのみました。大金持ちの兄は言いました。
「もちろんあげよう。だけど、すぐ地獄へ走って行かなければだめだ」
貧乏な弟は、ほかに方法もなく、地獄へ走って行く約束をするしかありませんでした。こうして、弟は大きな肉のかたまりを手にしたのでした。
貧乏な弟が地獄へ向かって走っていると、薪(まき)を割(わ)っている男に会いました。
男は「地獄の鬼たちは肉に目がないのだよ。でも、ドアの奥にあるひきうすをもらうまでは、肉をあげる約束をしてはいけないよ」と言いました。弟は走るのにいそがしくて、家に肉を置いてくることもできずにいました。
まあそんなわけで、地獄についたとたん、鬼たちが肉をよこせと言ってきましたが、弟はあげませんでした。
「ドアの奥にあるひきうすをくれたら肉をあげよう」
と言い続けました。
鬼たちは肉が欲しくてたまらなかったので、しぶしぶ弟にひきうすをわたしました。ひきうすをもらった弟は、家に戻る途中で、また薪を割っている男に会いました。
男が言いました。
「そのひきうすは何でも言うとおりの物をひき出すのさ。難しいことはない、ただ言いさえすればいい」
そして、どうやったら止まるのかも教えてくれました。弟が家に帰ると、たった一人で家にいたおかみさんが言いました。
「どこに行っていたんだい? クリスマスがくるというのに、家には何もない。ろうそくも、食べ物も、洋服もさ……」
「何も心配いらないよ。これからはちゃんと暮らしていけるから」と弟は言って、ひきうすをテーブルの上に置きました。
「ろうそくよ、早く出てこい!」
ひきうすからろうそくが飛び出しました。すぐにろうそくがいっぱいになり、弟はおかみさんに言いました。
「ろうそくに火を灯しておくれ」
そしてまた、ひきうすに言いました。
「洋服よ、早く出てこい!」
服が、毛皮でも上着でも何でもとび出しました。
「寒くないように服を着たらいいよ」と弟はおかみさんに言い、またひきうすに向って叫びました。
「薪よ、早く出てこい!」
薪が出ると弟は言いました。
「お金よ、出て来い!」
キラキラと音をたてて金貨がひきうすからこぼれ落ちました。こうして、弟は貧乏ではなくなりました。
弟は、しばらくお金を出し続けて言いました。
「クリスマスのおかゆよ、出てこい!」
「ビールよ、出てこい!」
いろんな物を出して、何一つ不自由なことはなくなりました。
大金持ちの兄が、貧乏だった弟がうまくやっているのを見てききました。
「おまえはなぜ地獄からこんなに財産を持って帰れたんだね?」
弟はひきうすを見せて説明しました。大金持ちの兄は、ひきうすを見たとたん欲しくなり、弟にたのみこみました。
「このひきうすを売ってはくれまいか。おまえはこんなにたくさんの物に囲まれているんだから、もうひきうすはいらないだろう」
弟は草刈りのころまでは渡せないという約束で、ひきうすをあげることにしました。弟はそれまでの間、十分ひきうすを使いました。
草刈りのころになり、兄がひきうすを取りにきました。人々はみな、牧草地で働いています。兄は昼ごはんをふるまうことになっていました。昼のしたくで忙しくなり、大騒ぎの中、兄はひきうすをテーブルに置いて言いました。
「オートミールとニシンよ、早く出てこい!」
さあ、たいへん! ひきうすからオートミールとニシンがたくさんとび出してきました。
でも、貧乏な弟は——今ではもう貧乏ではありませんが——ひきうすを止める方法を教えなかったのです。オートミールは桶からあふれて止まりません。かわいそうな兄は、ひきうすを棒でつついたり、それこそ何でもやってみましたが、どうにも止まりません。オートミールはダラダラダラダラ床に流れて止まりません。
ついに、兄は逃げ出さなくてはならなくなりました。兄は貧乏な弟の家に向かって走り出しましたが、オートミールは川になって兄を追いかけました。みなは道ばたで、叫びながら走っている兄を見ていました。
「みんな逃げろーっ。百人分の腹があったって、オートミールに溺れることになるぞーっ!」
兄は弟の家にたどりつくと言いました。
「早くひきうすをひきとってくれ。そうしないとこの世はオートミールだらけになるぞ!」
弟はひきうすを返してもらいました。そして、金ピカのものすごく立派な家を建てました。家は海のそばにあったので、塩を運ぶ船が何そうも通るのが見えました。
船乗りたちは弟の家を見て「あの立派な家はいったい何だろう」と言いました。
ひきうすの話を聞いた船乗りの一人が、もらいたいとたのみに来ました。
弟はひきうすはもう十分と思っていたので、ひきうすで塩を出せば自分は世界のはてから塩を運ぶこともないという船乗りの話を聞いて、あげることにしました。でも、弟は止め方を教えずにひきうすを渡し、船乗りもきかずに行ってしまったのです。
船乗りはひきうすをもらい、沖に出て甲板に置いて言いました。
「塩よ、早く出て来い!」
すると、荒塩(あらしお)がザラリザラリと出てきました。船はすぐ塩でいっぱいになりましたが、相変わらず塩は出つづけます。船乗りは一生懸命止めようとしましたが、塩は出つづけました。とうとう船が沈みはじめました。ついに船が沈み、ひきうすもいっしょに海の底(そこ)に沈みました。
いまでも、ひきうすは海の底で塩を出しつづけています。それで、海の水は塩からいのですよ。
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