ドイツの中央に位置するヘッセン州、アレンドルフ・アン・デア・ランツブルク村で、一九四一年に記録された話です。
話者は第二次世界大戦で戦死したヤコブ・ハイデという銀行員で、ハイデはみずから民俗学に興味をもち、民話や民謡の記録を行っていました。この話は、ハイデが祖母のマリーから聞いたもののようですが、マリーの父親のクラウス・ハインリヒ・メラー(一八二五〜一八九八)は大変な語り手で、自分の子供ばかりでなく、奉公先の主人の子供たちにも請われてたくさんの昔話を語ったようです。
メラーの生まれる少しまえのことですが、この村の牧師の娘フリードリケ・マンネルが『グリム童話集』に協力して、この村の話を提供したことがわかっています。
「三匹のやぎ」の話は、ノルウェーの話を絵本化した「三びきのやぎのがらがらどん」が日本でも幼児に人気があります。