一九〇四年に当時八○歳の左官職、ヨハン・ヒュニケが語った話です。
聞き手のヴィルヘルム・ヴィッサーは、母方の祖父からたくさんの話を聞いて育ち、語りの収集に興味を持ちました。一八九八年から一九〇九年にかけて、故郷北ドイツの東ホルシュタインの村々を訪ね、昔話や笑い話の語りを記録しました。
ヒュニケはすぐれた語り手で、この話を語った半年後になくなりましたが、ヴィッサーは短い期間に多くの話を記録しています。それらの話は土地の方言で語られ、素朴で活気に満ちています。
類話はヨーロッパを中心に広く分布し、『グリム童話集』にも「三まいの羽」と「かわいそうな粉屋の若者と小猫」がおさめられています。