ドイツ系のポンメルン人の移住地である中部ポーランドで、アルフレート・カラセック=ランゲルスが記録した話です。
『グリム童話集』の第一話として有名な話ですが、類話は多くありません。グリムの話でも、主人公は一番下のお姫様で、お姉さんたちは話に登場しません。しかしここでは、三人のお姫様たちと蛙のやりとりがきちんと語られています。
日本の「猿婿入り」でも、動物が人間の娘を嫁に欲しいといって訪れます。しかし、日本の話では末の娘が父親のためにけなげに嫁入りを承知するのに、この話の主人公はなんとか約束を果たさずにすむように逃げまわります。
蛙が姫に訴えることばは歌うように語られたらしく、この話の記録者は楽譜を記しています。