「三つのオレンジ」はイタリアの代表的な昔話ですが、カルロ・ゴッツィの仮面劇を経て、ソビエトのプロコーフィエフの歌劇「三つのオレンジへの恋」となったことでも広く知られています。
一七世紀にバジーレが『ペンタローネ』に収めた「三つのシトロン」が有名ですが、その他に口伝えの話としてたくさん記録されています。中から娘が出てくる果物はさまざまですが、やはりオレンジがいちばん人気があるようです。
長い語りが多いのですが、ここに紹介した話は、三つのオレンジから生まれた娘がにせものにとってかわられる主要部分を中心に、こぢんまりとまとまった話になっています。