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海嶺94

时间: 2020-02-28    进入日语论坛
核心提示:再び重右衛門日記九月十日さるにても激しき嵐なりき。常治郎言う。辰蔵の霊、海に入りて暴れたるにやと、四日四晩腹わた飛び出さ
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 再び重右衛門日記

九月十日
さるにても激しき嵐なりき。常治郎言う。辰蔵の霊、海に入りて暴れたるにやと、四日四晩腹わた飛び出さんばかりの揺れようなりき。貝と藻にて、黒き斑点も消え、体の節々の痛みも去りたりしに、この度の嵐には足腰再び立ち得ぬかと思うほどに疲れ覚ゆ。船今天にありと思うに、たちまち谷底に引きずりこまれ、次にまた波の山に高々と上るなり。打ちこむ波の激しく、アカたちまち膝《ひざ》を没す。僅《わず》か六人の人数なれば、アカ汲《く》むのみに只々疲れ果てたり。よくもこの嵐に、船返らざりしよ、打ち砕かれざりしよ。嵐去りて生き居ること只に不思議なり。雨を二日|程《ほど》伴いたれど、潮とも雨ともわかちがたき雨なれば、飲料にすべくもあらず。伊勢大神宮よ、南無阿弥陀仏《なむあみだぶつ》よと、日頃水垢離《ひごろみずごり》を取りて祈り居たれば、斯《か》くは助かりたるか。皆々心を一つにして、只々神仏を念じたり。
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