返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

死体は生きている18

时间: 2020-04-14    进入日语论坛
核心提示:炎の画策一 社内では昨日から、怪文書をめぐり大騒ぎであった。営業課第一係長犬山が売り上げ金を横領し、数千万円をバーのホス
(单词翻译:双击或拖选)
炎の画策
 社内では昨日から、怪文書をめぐり大騒ぎであった。
営業課第一係長犬山が売り上げ金を横領し、数千万円をバーのホステスに入れあげているという内容のものであった。
犬山は積極的に仕事をし、その売り上げ高もトップクラスで上司のうけはすこぶるよかった。しかし、この怪文書は意外というよりもやっぱりそうだったのかと、同じ課では受けとめられていた。
とくに島第二係長とは何につけ対比されていた。性格や好み、人生観なども異なり誠実な人柄として同僚や部下の評価も高い島に対して、犬山はかなりのライバル意識を燃やしていた。
背が高く仲々の美男子で、身のこなしもスマートでOLの間では人気があったが、彼を知るものの間では自分本位で他人を押しのけ、手柄を一人じめするような出世欲の強い男として敬遠されていた。
来春の人事異動では万事要領のよい犬山が営業課長に昇進するであろうことは、ほぼ確実視され、本人もその気になっていた矢先に、この内部告発的な怪文書が会社の複数の幹部宅に郵送されたのである。
調べてみると確かに、この半年の間に帳《ちよう》尻《じり》の合わない金が三千五百万円程あることが、わかった。犬山は決算期の三月までには入金されるもので、横領ではないととりつくろい、それよりも自分への羨《せん》望《ぼう》、中傷であると弁明につとめていた。
しかし、バーでの遊興、なじみのリサとの派手な交際で出費は一介のサラリーマンの範囲をはるかに逸脱していたのだ。
ライバル島の仕業かあるいは何かと意見の対立があり、命令に従わない部下の山田ではないかと、犬山は憶測で二人を名指して上司に申し開きをしていた。
それにしても今年中には三千五百万の穴をうめねばならなかった。
これさえのり越えれば、疑惑は晴れ中傷した相手をみかえすことが出来、昇進への道は開かれるであろうと、彼は必死であった。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

[查看全部]  相关评论