日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

ユーモアの鎖国07

时间: 2020-04-24    进入日语论坛
核心提示:新巻昨年の十二月はじめに、高崎市にある音楽茶房�あすなろ�から速達がきた。新年のはがきに刷り込む、八行以内の詩を書くよう
(单词翻译:双击或拖选)
新巻

昨年の十二月はじめに、高崎市にある音楽茶房�あすなろ�から速達がきた。新年のはがきに刷り込む、八行以内の詩を書くように、とある。日数は五日、遠慮するひまも無いので、有難く引き受けることにした。
何とか約束の日までに届け、二日ほどしてまた訂正の原稿を送った。それがどうなったかわからないでいると、突然三越から新巻《あらまき》鮭が家に届けられた。依頼主はあすなろ。
コレヤコノ鮭一尾、見事ナオ顔シテ、遠路ヨクオイデ下サイマシタ、コノ陋屋《ろうおく》ニ。
私は板の間に手をついて、北海道産の鮭に挨拶した。けれど、受け取って良いものかどうか、実は迷っていた。あすなろはいつも私に『あすなろ報』というのをタダで送ってくれている。その喫茶店が新装開店の通知も兼ねた年賀状に使う、というのなら、お祝いに上げるのがちょうどいいくらいのものである。そんな気持で四日も放って置いたら冷蔵庫のない台所で、冷凍の氷が解け、鮭がビッショリ泣いている、「今更帰るわけにゆきません」と。
一週間たち、ようよう食べる決心をし、私は両手に新巻鮭をささげて魚屋に行った。
「切っていただきたいんですが」
親切な魚屋のおにいさんは、片身を切り身にこしらえ、「良い品ですね、いっぺんには食べきれないでしょう」と、残り半分に塩をしてよこした。
「詩はクエない、と言うのに、クエたじゃない?」
そばでそんなことを言われながら、うすくれないの鮭を焼いた。魚の味は良かったけれど、詩の方の味はどうだったのか。原稿を受け取った答えが、無言の鮭は一寸気になる、と思い、市外電話を入れると、「あの詩は適当でなかったので、他のかたのを使いました、お詫《わ》びのしるしまでに送ったのです」と言いにくそうである。それほど聞きにくいことでもないのに、気を遣わせたものだ、と思い、さてこちらが詫びようにも、塩まみれになった半身の鮭には、もう頭もないのである。
[#ここから1字下げ]
「新年」
それは昨日に続く今日の上
日常というやや平坦な場所に
言葉が建てた素晴しい家、
世界中の人の心が
何の疑いもなく引越して行きました。
「どうもこれでは」そんな話がきこえてきそうで、私は二、三日キャッキャッとさわいで自分のはずかしさから逃げていた。それにしても詩が適当であったら、あの鮭は私の所に来たろうか、すでにからだの奥深く泳ぎ去ってしまった鮭に、エニシの深さを感じる。
いつか私は、鮭のようにまるごと一尾のおいしい詩を書いて、詩をひろめることに熱心な、あの奇特な茶房にお返しをしなければいけない。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%