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花の百名山200

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:開聞岳《かいもんだけ》   ヤマタツナミソウ 開聞岳には、本当にびっくりさせられ、山はバカにしては申しわけないとさえ思い
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開聞岳《かいもんだけ》
   ヤマタツナミソウ
 
 開聞岳には、本当にびっくりさせられ、山はバカにしては申しわけないとさえ思い、足だけはあわてふためいて、がむしゃらに岩礫をつっころばして、ふだんの足のろに似ず、コースタイムの一・二倍で登ったのである。
標高九二二メートル。標高差八五〇メートル。所要時間六時間。その日私は、夕方の七時から|川内《せんだい》市のクリスマスに出るはずであったが、これを開聞岳から一〇キロの山川町とまちがえ、集まりの前に一登りの予定をたててしまった。ところが実さいは六〇キロ。そして山は形が端麗に見えるので、道もふかふかの腐葉土に被われてじゅうたんの上を歩くようなものと勝手にきめこんで、日比谷公園や明治神宮の外苑を走るような恰好でいったら、この山は、|韓国《からくに》岳より、|新燃《しんもえ》、中岳、高千穂よりももっと大きな火山礫がごろつき、急坂のつづく山なのであった。しかも案内してくれたのは、謹厳無比のレデンプトール会川内カトリック教会のメニッヒ神父で、こちらは来日二十六年。『古事記』にも精通していて、開聞岳からは、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメ、海彦、山彦の話のある笠沙の岬も見えますと、山ズボン、山靴姿であった。神様助けて下さいと真剣に祈るのもそんな時。はるばると薩南の開聞岳までいつ来られようかと思い、そこにどんな花が咲いているかと思えば、四つん這いで、手を足並みに使ってでも頂上まで登らなければならないと、歯をくいしばったのであった。
開聞岳の植生のあり方は、高千穂や韓国とちがう。あちらは花の咲く草だけでなく、シイもツガもアカマツも背が低かった。こちらは大木で亭々として|聳《そび》え、トベラやカクレミノやユズリハも大木である。そして、ヤクシソウ、リュウノウギク、ヤマタツナミソウとすべてが関東並みの大きさである。ノジスミレ、サクラスミレ、オカスミレとスミレの種類の多いのは、伊豆の天城と似ている。下りてから二時間半かかって川内市につき、集まりの前に、シャワーも浴びられて、神に感謝と溜息をついた。
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