金沢藩で行なわれた極刑のなかに、「三段斬り」というめずらしいものがある。
はじめに、罪人を後ろ手に縛りあげ、縛った縄を高い横木にかけて引っ張りあげ、罪人を宙吊りにする。
罪人は後ろ手に吊るされて、だらりと足を下げている。この状態で、三段斬りを行なうのである。
まず、下半身を一刀のもとにえいっとばかりに斬り落とすと、残った胴より頭のほうが重くなり、これまで上にあった頭が、くるりと半回転して下になる。
そこをすかさず、今度は首を一刀のもとに斬り落とすのである。落とされた頭が地面に落ちて勢いよくころがる。
この三段斬りは見せしめのため、外の刑場で、大勢の見物人の見守るなかで行なったというから、いってみれば残酷ショーのようなものだったろう。