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十二国記230

时间: 2020-08-29    进入日语论坛
核心提示: ──折山《せつざん》、という。 天を貫く凌雲山《りょううんざん》の、その巨大な峻峰《しゅんぽう》でさえ折れようかという
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 ──折山《せつざん》、という。
 天を貫く凌雲山《りょううんざん》の、その巨大な峻峰《しゅんぽう》でさえ折れようかというほどの荒廃。
 六太《ろくた》は呆然と山野を見渡した。かつて一度見たこの国は、これ以上|荒《すさ》む余地などないかのように見えたのに、以前よりさらに酷《ひど》いこのありさまはどうだろう。
 薄く雲を浮かべた空は高い。残酷なほどの明るい空の下、夏が来ようとしているのに、地上には緑も紅《くれない》もありはしない。砂漠のように荒れ果てた農地。小麦が緑の海を作っていなければならないのに、麦はもちろんのこと、はびこる雑草までもがない。ひび割れた大地と、そこにまばらに立ち枯れてそよぐなんとも知れない草は、いったいいいつ枯れたのか、暖かな黄味さえ失っている。
 畦《あぜ》は崩壊し、廬《むら》のあった場所にはただ地所を囲む石垣があるばかり。その石垣もあちこちが壊れ、黒々と焦《こ》げ、さらにはそれが風雨にさらされ、くすんだわびしい色を晒《さら》している。
 丘の麓《ふもと》に見えるのは里《まち》。里の隔壁もまた崩壊し、中の家々もわずかの瓦礫《がれき》になってしまっている。廬を守り、里を守る樹木の一本さえ残ってはいなかった。火にあぶられて燻《いぶ》し銀《ぎん》の色に変じた里木《りぼく》だけが里の奥にぽつんと立って、その木の根元にいつまでも身じろぎさえせず幾人かの人影が座りこんでいる。まるで置かれた石のように、誰ひとり動かない。
 その里木の上を数羽の鳥と、それより多い鳥に似た妖魔が旋回していた。里木には葉も花もつかない。ただ白いだけのまばらな枝ごし、上空から妖魔が狙《ねら》っているのが見えていないはずはないのに、誰ひとりそれを振り仰ぎもしない。里木の下にいる生き物を獣も妖魔も襲わない。だからといって、無視できるものだろうか。もはや妖魔に恐怖を抱くこともできないほど、その人々は疲弊《ひへい》しているのだ。
 山の緑は焼きつくされ、川は溢《あふ》れ、廬という廬、里という里が灰燼《かいじん》に帰した。すでに実りを望める土地はなく、その荒れ果てた土地に鍬《くわ》を入れようとする民もいない。翌年の実りを期待して働くには、彼らはあまりにも疲れ果てていた。鍬を握ろうにも飢《う》えた手には力が入らず、ましてや助け合って体を支えあうほどの数もない。
 旋回する妖魔のほうもその翼が萎《な》えがちだった。妖魔もまた飢えているのだ。見守る六太の目の前で一羽が落ちる。魔物でさえ食い荒らすことのできなくなった荒廃だけがそこにはある。
 折山の荒《こう》、亡国《ぼうこく》の壊《かい》。
 ──この雁州国《えんしゅうこく》の、あたかも終焉《しゅうえん》のような。
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