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十二国記379

时间: 2020-08-31    进入日语论坛
核心提示:「陽子、どうしたの、その血!」 褞袍《がいとう》を脱ぐなり蘭玉《らんぎょく》が声をあげて、陽子は首を振った。「べつに怪我
(单词翻译:双击或拖选)
「——陽子、どうしたの、その血!」
 褞袍《がいとう》を脱ぐなり蘭玉《らんぎょく》が声をあげて、陽子は首を振った。
「べつに怪我《けが》をしたわけじゃない。——拓峰《たくほう》で怪我人に会って」
「まあ……」
「子供が車に轢《ひ》かれたんだけど、なんか妙な感じだったな」
 なにしろ閉門も遠くないことだったので、陽子はあわてて拓峰を出てしまった。北韋《ほくい》の近くまで班渠《はんきょ》に走らせ、ぎりぎりで閉門に間にあった。
「華軒《くるま》が遠ざかっていくところだった。——どう考えてもあれが轢いたとしか思えないんだけど、華軒も停《と》まらないし、誰も呼び止めない」
「……ああ、昇紘《しょうこう》ね」
 え、と陽子は首をかたむけた。蘭玉は起居《いま》の椅子《いす》に戻って、中断した縫《ぬ》い物《もの》を続ける。
「止水《しすい》の郷長《ごうちょう》だわ。華軒に乗っていたんなら、たぶんそうだと思う。郷長ぐらいの人でなきゃ、乗れないもの」
「有名なのか?」
「とっても有名。人を人とも思わない豺虎《けだもの》よ」
 言って蘭玉は顔をしかめてみせた。
「北韋にも止水から逃げてきた人がいたわ。最近では聞かないけど。——州境に郷兵を置いて、逃げ出す人を監視させてるんですって。それでも悪い噂《うわさ》ばかりが聞こえる」
 蘭玉が言うと、陽子はなにか考えこむようにうつむいた。
「……そうか」
「ここは幸せだわ、台輔《たいほ》の御領だもの。……和州《わしゅう》の州侯《しゅうこう》はずいぶんとひどい方だって聞いたわ。昔はここの領主さまだったんですって」
「遠甫《えんほ》に聞いた」
 蘭玉はうなずく。
「その頃はね、ひどかったみたいよ。和州に行ってくれて助かったけど、和州の人はかわいそうだわ。……でも、そのあたしたちも、いつまで平穏な暮らしが続くか、分からない。今は黄領《ちょっかつち》だけど、それがいつまで続くか知れたものじゃないもの。たとえこの先もずっと黄領だったとしても、あたしは二十歳《はたち》になったら、別の土地へ行く。そこが和州でないとは限らないわけだし……」
「そうか——そうだな」
「あと二年の間に、漢子《いいひと》が見つけられればいいんだけど」
 蘭玉が笑うと、陽子は首をかたむけた。
「北韋に漢子を見つけて、振り分けられると同時に結婚するの。相手の籍《せき》に入れば、同じ里に土地を移してもらえるわ。——空《あ》きがあれば、の話だけど」
 陽子は何度か瞬《まばた》いた。
「そういう理由で——結婚するのか?」
「どこに振り分けられるか、すごく重大なことだもの。許配《きょはい》って仕事があるのを知ってる?」
 陽子は首を振った。
「——いや」
「結婚相手を紹介してくれるの。条件を言って、紹介してもらう。お金を払って籍に入れてもらって、土地を動かしてもらうのよ。そうしたら別れる。それが許配」
「それは……すごいな」
「そう?」
「蓬莱《ほうらい》では、離婚は簡単なことじゃない。最近ではずいぶん簡単に別れる人もいるけど、やっぱりあまり褒《ほ》められたことじゃないってことになってる。そうも簡単に、別れるなんて聞くと、ちょっと愕然《がくぜん》とするな」
 陽子が言うと、蘭玉はくすくす笑った。
「蓬莱は幸せな国なのね。そりゃあ、あたしだってちゃんとしたひとを見つけて一緒になって、子供を持って暮らしたいけど。でも、止水に振り分けられるぐらいならそうするわ。止水では税は七割なのよ、知ってる?」
「まさか」
 税はおおむね収穫の一割、軍や官費をまかなうための特別税である賦《ふ》がついても二割には達しない。それが決まりである。
「賦が二割、人ひとりあたりにかかる口賦《こうふ》があって、これが一割。橋を造ったり堤《つつみ》を造るために納める均賦《きふ》が二割、妖魔《ようま》から守ってもらったり、いざというときに里家《りけ》で養ってもらうための安賦《あんぷ》が二割。——合計で七割よ」
「ばかな——」
 法には天網《てんこう》と地網《ちこう》がある。天網は太綱《たいこう》ともいい、天から与えられた定め、王といえどもこれに違反することはできない。王が発するのは地網、どんな州侯も領主もこの地網に違反することは同様にできなかった。税制は地綱によって定められるが、それは一割、州侯、領主が徴収《ちょうしゅう》できる賦《ふ》は五|分《ぶ》まで、それも当座、税を八分に軽減し、賦を徴収してはならないと発布してある。
「いま、賦は徴収できないはずだ。しかもそれ以外の税が民に課せられるなんて、聞いたことがない。第一、その安賦《あんぷ》や均賦《きんふ》というのはなんだ? そんなことはいっさい、国庫からまかなわれることじゃないか」
 蘭玉は困ったように微笑《ほほえ》んだ。
「だから、昇紘は酷吏《こくり》だっていうの。——本当に、どうして王は昇紘みたいな奴を許しておくのかしら……」
 言って蘭玉は、縫い物をする糸を切って針を針山に戻した。
「夕餉《ゆうげ》の用意をしなきゃ。——着替えてきて。桂桂《けいけい》がその血を見たらびっくりするわ」
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