女のコというのは、いつの時代も「現実的」だったのかもしれません。女のコが貞淑であった時代、女のコが主張した時代、そして女のコが率先して恋をする時代——。女のコは、いま、こんな風に行動し、こんなことを考えているんです。
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≪私、二〇歳の短大生。そろそろ来年の就職のことを考えなければいけなくなりました。それと、BFも、大学生の彼をやめて、ちゃんとした大人のお相手に、なんて考えております。欲張りかもしれませんが、仕事と男の人の、両方の面で、私をもっと磨きたい、磨かれるようなチャンスにしたい、と思っているんです。某女子短大の英文科、成績はかなりいいほうです。どんな仕事を選んで、どんな男性にアタックしたらいいのでしょう?≫
現実に即して考えていますね。短大を卒業して就職して、自分はOLになるのに、いまつき合っている彼は、いまだに大学生をやっているわけですね。釣り合いがとれない、という基本的な判断があるわけです。
まず、仕事の選び方ですけど、とにかく、ヘタに「仕事に生きよう」などと考えないことです。別に、一生仕事をするわけじゃないんですから、「やりがいのある仕事を」なんてバカなことを考えないほうがいいのです。
給料がよくて、休みが多くて、カッコいい男がたくさんいる会社、という基準で選ぶべきでしょうね。それと、注意しなくてはならないのは、勤務場所です。大きな会社に入ると、新宿に行くことになるのか、丸ノ内になるのか、わからない場合がありますからね。勤務地が希望できるのかどうか、希望したところに確実に行けるのかどうか、そういうことをあらかじめチェックして選んだほうがいいでしょう。
あとは会社の福利厚生施設が完備しているかどうか、とかありますけど、女のコ同士で箱根の社員寮へは行けても、彼と一緒にはお出かけできませんから、この点はあんまり考慮に入れることはないんじゃないですかね。ああいう場所は、彼のできない会社のコと「キズをなめあう」ために行く場所なんですよね。
男性社員の状況は、重要な点ですが、メーカーの場合は、男子の大卒新入社員などは、最初は地方の工場勤務ということがあったりしますから、要注意です。若くてハンサムな少年は、みんな地方で、本社にいるのはオジサンばっかり、という可能性もありますね。
会社名だけで選んだりすると、これまた、失敗します。たとえば「東京海上」だなんていっても、国立《くにたち》にある「事務センター」とかに配属されると、男が三人の部署に女が四〇人、なんてことになりますね。しかも、男三人のうち独身はひとりで、残りは妻子持ちでくたびれた「窓際」のオジサンだったりもします。
また、社内恋愛に対してルーズな会社を選ぶべきだと思います。「日本航空」みたいに、
「警察ザタにさえならなければ、なんぼでも社内恋愛してくれてケッコー」
と人事部の採用担当者がいってるような会社が、タイプでしょうね。マジメな会社ですと、マジメな男が入ってきますしね。そんなとこに入ってしまうと、この先、「津田沼《つだぬま》」かどこかの社宅で、同期入社で、同様に社内結婚した女のコと毎日、顔をつき合わせなくてはいけない悲惨な生活になっちゃいます。
それに、女子社員についても考慮は必要ですね。事前に、女子新入社員の出身校別リストを入手して、検討するべきです。どのへんの短大の女のコが入社してきているのか——地味目な短大や高校のコが多いと、当然、真面目《まじめ》なコばっかりということが予想されます。そうすると、社内でグループ交際をするときに、あなただけ抜けがけすると、女子社員の世界で村八分にされることになります。
さらに、レベルの違いは、話題、お洋服を買うお店、食事しに行くお店、等々、何から何までが食い違ってきてしまい、あなただけが、女子社員のなかで孤立する、という状態にまでなってしまいます。入社後の職場に、あなたと同じような感覚でつき合えるコが、どの程度いるか、ということも、よく調べておいたほうがいいと思います。