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さすらいの女王23

时间: 2020-10-22    进入日语论坛
核心提示:子はかすがい? NHKの『今夜は恋人気分』という番組に出て、毎週、いろいろな夫婦に会っている。子どものいる夫婦もあれば、
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子はかすがい?
 
 NHKの『今夜は恋人気分』という番組に出て、毎週、いろいろな夫婦に会っている。子どものいる夫婦もあれば、いない夫婦もあって、それが本人たちの幸福感(あるいは不幸感)に影響している場合もあれば、まったく関係なさそうな場合もある。子どもの存在がかろうじて夫婦関係を繋いでいるように見えるケースもあり、まさに「子はかすがい」ってヤツなんだけれども、「かすがい」にされてる子どもの気分はどうであろうか、などと考えてしまう今日この頃である。
 また、その一方で、旧家や名家に嫁いだ女には「跡継ぎを産む」という使命が課せられるワケで、これはもう「DNAへの執着」としか言いようがない。単なる「家督の相続人」なら、子どもが出来なきゃ養子でも貰って継がせるがよかろう。そこに「余所者にこの家を継がせたくない」という気持ちが働くのは、「家」が「血筋」であり「DNA」であることを示しており、その挙句、「出来のいい余所者より、出来の悪い子孫」が跡継ぎに選ばれて、名家は没落していくのであった。
 優れたDNAを守ろうとした結果、あまり優れているとも思えないDNAまで必死で守る羽目になるとは皮肉なものである。一族に際立った成功者が現れたからといって、それが優れたDNAの証明とは限らないのだ。もしかすると、それはギャンブルのようなハイリスク・ハイリターンの変異遺伝子なのかもしれず、たまたま大当たりしたからといって有難がってると続々とダメ子孫を生み出すことになる、と、こういうことなのかもしれない。
 以前、某女性タレントが子宮を摘出して子どもの産めない身体になり、それでも子どもが欲しくてアメリカの代理母と出産契約をしたことが話題になった。そんなに子どもが欲しいのなら養子でも貰えばよかろう、と、女王様は思ったが、彼女としては「自分と夫との子ども」でなくては意味がないのであろう。あれもまた「DNA」への執着か。ジャーナリストの石井政之氏が「ああいう血統主義的な行為に対して、自分はあまり肯定的な気分にはなれない」と批判した気持ちに、女王様も少々共感する部分がある。「自分と夫との子どもが欲しいと思う気持ちは、女として自然な感情ではないか」という意見もあろうが、あんなに無理をするのが「自然な感情」とも思えず、そして「あそこまで無理を通して、彼女は何に執着しているのだろう」と考えると、ちょっと嫌なものを見てしまったような気分になるのだ。「嫌なもの」とは、「自分と夫のDNAを格別なものと考える自惚れ」であり、その「自分たちのDNAは格別だ」という自惚れは「余所者の優秀でないDNAが混入する」ことを嫌う名家の鼻持ちならない「血統主義」や「選民意識」に容易につながるものであるから、女王様のような俗悪なる血統の持ち主は不愉快になるのであった。
 人が自分のDNAを残すことへの執着を失ったら、少子化はますます進んで、人類は絶滅するだろう。そのうえ女王様のように「子はかすがい」にまで疑問を持ってしまっては、なおさらである。それを何とも思わぬ女王様は「人類滅亡」を目論む悪魔の遺伝子の継承者なのかもしれない。
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