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(30)スープ

时间: 2013-12-27    进入日语论坛
核心提示:スープ(30)スープをぞろぞろぞろと音を立てて啜るのは不作法とされているようですが、あれはなるべく音をさせないで啜るより
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スープ(30)

スープをぞろぞろぞろと音を立てて啜るのは不作法とされているようですが、あれはなるべく音をさせないで啜るよりも、なるべく大きな音をさせて啜った方が実はおいしい。うどんやおそばも、音をさせないよりも、させた方がずっとおいしいものです。けれども改まった席で、みんな方が音をさせないでスープを啜っているのに、一人だけぞーろぞろぞろとやっている人がよくいますが、あれはいやだ。あんな場合、少しぐらいまずくても、みんなと歩調を合わせていただきたいと思います。むろん音をさせたって、させなくったって、天下国家には何のかかわりもないことには違いないが。 
   一体に人体が発する音はいやなものです。しかし発する当人にとっては、発するということは実に気持ちいいものです。そこで誰しも発すべきか、発せざるべきかという二者択一の前に立たされる。これは、まわりに人がいるかいないかできまることでしょう。しかし、まわりに人がいたら、なぜ発してはならないのか。その音が人に不快感を起きさせるから。では人が肉体のある部分で発する音は、ほかの人になぜ不快感を起きさせるのか。さあ、これがむずかしい問題です。スープをぞろぞろぞろと啜る音が、本人にはいさ知らず、他人には不愉快を覚えさせる原因は、音そのものいあるのか、はたまたそれによって表現されているところの傍若無人の態度にあるのか。ほかの人が音をさせてスープを啜りたいのを我慢しているのに、敢えて自分だけ音をさせてうまがっているのが、ほかの人にとって不愉快なのであろうか。 ではみんな音をさせて、満堂これスープを啜るぞろぞろの音ということにしたらいいではないか。みんながぞろぞろぞろなら、相子ではないか。恐らくむかしはその相子だったのだろうし、現在だって昼食時のそばやへ行けばこの相子でやっている。またそばを、音をさせずにもぐもぐやっているのは、継子がそばを食べているみたいで、どうもさっぱりとしないものです。
         スープの音はまだしも、歯につまったものをチュー、チューという音をさせて吸い出そうとするのも耳ざわりなものですが、本人はあれをやらないと、気分がわるいので、ついやる。ようしを使えばいいが、ようしがない時はとても困る。しかもそうやって吸い出したものを、奥歯ではだめなものだから、前歯で御丁寧に噛み砕いて、 呑み込む人をよく見かけるが、あれもあんまり気持のいい景色ではない。
   そういうことはみな、どうでもいいといってしまえばそれまでだし、そんなことを一向に気にかけない人もいるけれども、気にかけ出すと、さあもうたまらなくなる。しかも自分がやっている分には、大変気持がよくて、一寸こたえられない。それを我慢して、そんな音は発しないようにするというのも、これはこれでやはり社会に生きていく上の礼儀でしょう。だけれども、考えてみれば変なもので、音そのものによしあしがあるというのはおかしい。
 
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