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マッチ売りの少女

时间: 2017-12-07    进入日语论坛
核心提示: むかしむかし、雪の降りしきる大みそかの晩。 みすぼらしい服を着たマッチ売りの少女が、寒さにふるえながら一生懸命通る人に
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 むかしむかし、雪の降りしきる大みそかの晩。
 みすぼらしい服を着たマッチ売りの少女が、寒さにふるえながら一生懸命通る人によびかけていました。
「マッチは、いかが。マッチは、いかがですか。誰か、マッチを買ってください」
 でも、誰も立ち止まってくれません。
「お願い、一本でもいいんです。誰か、マッチを買ってください」
 今日はまだ、一本も売れていません。
 場所を変えようと、少女が歩きはじめた時です。
 目の前を一台の馬車(ばしゃ)が、走りぬけました。
 危ない!
 少女はあわててよけようとして雪の上に転んでしまい、そのはずみにくつを飛ばしてしまいました。
 お母さんのお古のくつで少女の足には大きすぎましたが、少女の持っているたった1つのくつなのです。
 少女はあちらこちら探しましたが、どうしても見つかりません。
 しかたなく、はだしのままで歩き出しました。
 
 冷たい雪の上を行くうちに、少女の足はぶどう色に変わっていきました。
 しばらく行くと、どこからか肉を焼くにおいがしてきました。
「ああ、いいにおい。???お腹がすいたなあー」
 でも少女は、帰ろうとしません。
 マッチが一本も売れないまま家に帰っても、お父さんはけっして家に入れてくれません。
 それどころか、
「この、役立たずめ!」
と、ひどくぶたれるのです。
 少女は寒さをさけるために、家と家との間に入ってしゃがみこみました。
 それでも、じんじんとこごえそうです。
「そうだわ、マッチをすって暖まろう」
 そう言って、一本のマッチを壁にすりつけました。
 シュッ。
 マッチの火は、とても暖かでした。
 少女はいつの間にか、勢いよく燃えるストーブの前にすわっているような気がしました。
「なんて、暖かいんだろう。???ああ、いい気持ち」
 少女がストーブに手をのばそうとしたとたん、マッチの火は消えて、ストーブもかき消すようになくなってしまいました。
 少女はまた、マッチをすってみました。
 あたりは、ぱあーっと明るくなり、光が壁をてらすと、まるで部屋の中にいるような気持ちになりました。
 部屋の中のテーブルには、ごちそうが並んでいます。
 不思議な事に湯気をたてたガチョウの丸焼きが、少女の方へ近づいて来るのです。
「うわっ、おいしそう」
 その時、すうっとマッチの火が消え、ごちそうも部屋も、あっという間になくなってしまいました。
 少女はがっかりして、もう一度マッチをすりました。
 すると、どうでしょう。
 光の中に、大きなクリスマスツリーが浮かびあがっていました。
 枝には数え切れないくらい、たくさんのロウソクが輝いています。
 思わず少女が近づくと、ツリーはふわっとなくなってしまいました。
 また、マッチの火が消えたのです。
 けれどもロウソクの光は消えずに、ゆっくりと空高くのぼっていきました。
 そしてそれが次々に、星になったのです。
 やがてその星の一つが、長い光の尾を引いて落ちてきました。
「あっ、今、誰かが死んだんだわ」
 少女は、死んだおばあさんの言葉を覚えていました。
『星が一つ落ちる時、一つのたましいが神さまのところへのぼっていくんだよ』
 少女は、やさしかったおばあさんの事を思い出しました。
「ああ、おばあさんに会いたいなー」
 少女はまた、マッチをすりました。
 ぱあーっとあたりが明るくなり、その光の中で大好きなおばあさんがほほえんでいました。
「おばあさん、わたしも連れてって。火が消えるといなくなるなんて、いやよ。???わたし、どこにも行くところがないの」
 少女はそう言いながら、残っているマッチを一本、また一本と、どんどん燃やし続けました。
 おばあさんは、そっとやさしく少女を抱きあげてくれました。
「わあーっ、おばあさんの体は、とっても暖かい」
 やがて二人は光に包まれて、空高くのぼっていきました。
 
 新年の朝、少女はほほえみながら死んでいました。
 集まった町の人々は、
「かわいそうに、マッチを燃やして暖まろうとしていたんだね」
と、言いました。
 少女がマッチの火でおばあさんに会い、天国へのぼった事など、誰も知りませんでした。
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