这架钢琴弹不出Ra音。而更为雪上加霜的是,由于学成不久的调律师太过急躁,使得其他的音节也出现了问题。没用的东西,在指责声中他掉下了眼泪。
宮下奈都さんの小説「羊と鋼の森」にそんな場面がある。全国の書店員が選ぶ「本屋大賞」をこの4月に受賞した。北海道の山あいで育った青年が調律師として成長する姿を描く。
这一幕出现在了宫下奈都先生的小说《羊和钢之森林》中。在今年4月,该书获得了全国书店店员评选的“书店大奖”。该书描写了生长于北海道山间的青年成长为调律师的故事。
行間からピアノの音が流れ出す。丸い音、澄んだ音、凜(りん)とした音、くっきりした音。顧客に好まれないのは平べったい音にゴツゴツした音。言葉では表現しようのない音を主人公はひたむきに追い求める。
字里行间能听到钢琴声音的流淌。元音、清音、重音、独立音节。但平音和刺音不被客人所喜欢。用言语所无法表达之音正是主人公所一心追求的。
これほど多彩な音色を調律師はどう身につけるのだろう。「2年間の養成学校で一通りの音を学びますが、音色はたしかに教えにくい。音の高低、強弱、長短と違って計測できません」と話すのは日本ピアノ調律師協会長の斉田健さん(69)。長くドイツのハンブルクを拠点に欧州各地で調律した。
调律师是如何学会调控如此丰富多彩的音节的呢?“将在2年制的培训学校中学习全部的音节,但是音色却是非常难教。音的高低、强弱、长短之间的不同无法一一测量”,日本钢琴调律师协会会长齐田健先生(69岁)如此説。他长期住在德国汉堡,在欧洲各地从事调律工作。
調律師は演奏の間、舞台のそでで息をこらす。「一つでもずれた音があったら大問題。演奏の合間にピアノを拭くフリをしながら数秒で直す。演奏中は音楽として耳に入ってきません」。自分の整えた音に狂いはないか神経をすり減らす。重圧は終演まで続くそうだ。
调律师在演奏时躲在舞台一角,屏息凝听演奏的音质。“如果有一个音走调就会出现大问题。在演奏的间隙,在擦拭钢琴的同时,用几秒钟调音。在演奏时,必须听音,而不是乐。”自己调试的音会不会出问题呢?神经一直处于紧绷的状态。巨大的压力一直持续到演出结束。
当方、弾くことをあきらめて久しい。聴く方も遠ざかっていたが、小説を読んで何年かぶりに家の古いピアノの天板を開けた。中のメモに調律師の方々の名が残る。「羊」の毛に包まれたハンマーと「鋼」の弦が並ぶ小宇宙に見入った。
我放弃弹奏钢琴已经很久了。听的人也远去了,但我读了这本小书后,却又去摆弄了一番家里已经多年没碰的老钢琴。附带的笔记本中记录着一位位调律师的名字。被“羊”毛所包裹音锤和“钢”弦所组成的小宇宙又出现在了我的眼前。