アリの巣には一定の割合で働かないアリがいるとは聞いたことがある。しかし、ここまで何もしないアリの種類があるとは知らなかった。日本各地にいるサムライアリは、別の種類のアリの巣を乗っ取って働かせる。エサを集めさせ、口移しで食べさせてもらう。
听说在蚂蚁窝里,存在一定比例的蚂蚁是不工作的。但是,我却不知道有些种类的蚂蚁是什么活都不做的。在日本随处可见的“武士蚁”致力于霸占其他种类蚂蚁的巢穴。它们役使被夺走巢穴的蚂蚁收集食物,通过嘴对嘴的方式进食。
働き手が不足すると、よその巣から卵や幼虫をさらってくる。昆虫写真家、山口進さん(69)の新著『珍奇な昆虫』には、虫たちがつくる「社会」が数多く描かれている。一方的に利用する関係もあれば助け合いもある。
一旦发现劳动力不足,它们就从别的蚂蚁巢穴里掠夺蚂蚁卵和蚂蚁幼虫。在昆虫摄影家山口进先生(69岁)的新著《奇妙的昆虫》中描绘了很多昆虫们构建的“社会”。其中既有单方面利用的关系,也有互助的例子。
蝶(ちょう)の一種クロシジミの幼虫は体から甘い汁を出してアリに与え、アリの巣で養ってもらう。「虫と虫の関係は様々。何だか人間と似ているでしょう」と山口さんは言う。共生をテーマに虫たちを追い、居住する山梨県そして世界を飛び回ってきた。
“クロシジミ”是蝴蝶的一种,它们的幼虫会从体内分泌出甜汁以此吸引蚂蚁将其带回蚁穴抚养。“昆虫之间的关系非常复杂。这与人类有几分相似”,山口先生说。他以“共生”为研究课题对昆虫进行跟踪调查,其故乡山梨县自不必说,甚至还奔走于全世界。
昆虫から始まり、関心は広がる。どの虫とどの植物の関係が深いのか。農業が虫にどう影響するのか。最近はトンボのアキアカネが育ちやすい伝統的な田んぼづくりに魅せられ、新潟県に足を運ぶ。
从昆虫开始,他所关注的东西越来越多。哪种昆虫与哪种植物关系密切?农业对昆虫有何种影响?最近,他又被容易培育出“赤茜”蜻蜓的传统水田耕作所吸引,去了新泻县。
約40年にわたり「ジャポニカ学習帳」の表紙を飾ってきた虫や花の写真も、山口さんの作品である。しかしここ数年は「気持ち悪い」という声に押され、虫の写真はなくなった。一部の復刻版を除き、花だけである。
已有约40年历史的《日本风情学习手册》的封面上的昆虫和草花的照片,也是山口先生的作品。但是近年来迫于读者“感到恶心”的呼声,虫子的照片消失不见了。除去一部分重印本之外,只有花的照片了。
「子どもは虫が好きだと思う。でも先生や親に苦手な人が増えているのでしょう」と残念そうだ。昆虫を入り口に、自然や科学へと目が開かれる。そんな道はこれから細くなってしまうのだろうか。
“我认为孩子们是喜欢虫子的。但,害怕虫子的老师和家长却多了起来”,他不无遗憾地说。以昆虫为突破口,将自然和科学展现在孩子的面前。这条路是否会变得越来越窄呢?