警察の組織は、国の機関である警察庁と、47の都道府県警察からなっています。国家公務員としては、全国の警察組織のまとめ役として国家的な視野から治安維持にあたります。地方公務員としては、社会の安寧秩序をたもつために、犯罪捜査と予防、交通取締りなどに従事します。一地方で起こった事件は管轄の都道府県警察が解決にあたりますが、広域犯罪や大きな災害が発生したときには、警察庁が中心になって対処します。
警察官には、当然ながら正義感が強く、規律正しい人物が要求されます。とくに、つねに上司の指揮命令を受けて行動しますから、映画やドラマの主人公のように上司の命令に反して無謀な行為をするような人物では困ります。また、仕事の性質上、強靭な体力と機敏さも必要です。また最近は、ネット犯罪に代表されるような犯罪の多様化、高度化にともない、ハイテク分野に強い人材も求められるようになっています。
[なるための進路]
大学の学部は、とくに限定されませんが、国家公務員試験か、各都道府県の採用試験に合格しなくてはなりません。国家公務員の場合、警察庁へ入庁と同時に警部補に任命され、警察大学校などで研修を受けます。その後、警視庁や府県の警察署などで係長として勤務します。地方公務員の場合、警察学校で研修を受けた後、各部門に配属されます。