「おまえの父親は、愉快ゆかいな男だったな」スネイプが激はげしくハリーを揺ゆすぶったので、メガネが鼻からずり落ちた。
「僕は――そうは――」
スネイプはありったけの力でハリーを投げ出した。ハリーは地下牢の床に叩たたきつけられた。
「見たことは、誰にもしゃべるな」スネイプが喚わめいた。
「はい」ハリーはできるだけスネイプから離はなれて立ち上がった。「はい、もちろん、僕――」
「出ていけ、出るんだ。この研究室で、二度とその面つら見たくない」
ドアに向かって疾走しっそうするハリーの頭上で、死んだゴキブリの入った瓶びんが爆発ばくはつした。ハリーはドアをぐいと開け、飛ぶように廊下ろうかを走った。スネイプとの距離きょりが三階隔へだたるまで止まらなかった。そこでやっとハリーは壁かべにもたれ、ハァハァ言いながら傷きずついた腕を揉もんだ。
早々とグリフィンドール塔に戻もどるつもりもなく、ロンやハーマイオニーにいま見たことを話す気にもなれなかった。ハリーは恐ろしく、悲しかった。怒ど鳴なられたからでも、瓶びんを投げつけられたからでもない。見物人のど真ん中で辱はずかしめられる気持がハリーにはわかったからだ。ハリーの父親に嘲あざけられたときのスネイプの気持が痛いほどわかったからだ。そして、いま見たことから判断すると、ハリーの父親が、スネイプからいつも聞かされていたとおり、どこまでも傲慢ごうまんだったからだ。
“你父亲是个有趣的人,是吧?”斯内普说着,使劲地摇晃哈利,哈利的眼镜都从鼻子上滑落了下去。
“我——没有——”
斯内普使足全身的力气把哈利推了出去。哈利重重地摔在地下教室的地板上。
“不准你把看到的事告诉任何人!”斯内普怒吼道。
“不会。”哈利说着站起来,尽量离斯内普远一点儿,“不会,我当然——”
“滚出去,滚出去,我再也不想在这间办公室里看到你!”
当哈利朝门口猛冲过去的时候,一个盛着死蟑螂的罐子在他头顶炸裂了。他用力扭开房门,顺着走廊一路飞奔,直到与斯内普隔了三层楼以后才停了下来。他气喘吁吁地靠在墙上,揉搓着那只带着淤伤的胳膊。
他一点儿也不想这么早就回到格兰芬多塔楼,也不想把自己刚才看到的事情告诉罗恩和赫敏。哈利觉得那么恐惧、难过,这并不是因为斯内普冲他大喊大叫,也不是因为斯内普用罐子砸他,而是因为他了解在一圈旁观者中当众受辱是什么滋味,他很清楚斯内普被他的父亲嘲弄时到底是什么心情,从他刚才的所见所闻来看,他的父亲确实是个傲慢自大的人,跟斯内普一直以来对他所讲述的一模一样。