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落語特選40

时间: 2019-09-22    进入日语论坛
核心提示:悋気の火の玉悋気《りんき》は女の慎《つつ》しむところ、疝気《せんき》は男の苦しむところ。悋気つまりやきもち[#「やきもち
(单词翻译:双击或拖选)
悋気の火の玉

悋気《りんき》は女の慎《つつ》しむところ、疝気《せんき》は男の苦しむところ……。
悋気……つまりやきもち[#「やきもち」に傍点]というものは、焼きかたがむずかしい。
やきはしやせんと女房いぶすなり
焼くというほどでなくて、狐色《きつねいろ》ぐらいに燻《いぶ》す嫉妬《しつと》というものは、性質《たち》のいいもので、
寝たなりでいるはきれいな悋気なり
夜中に帰って来た亭主を迎えもしなければ、問い詰めたりしないで、騒ぎ立てないのも嫉妬としては控え目だが、それが、
悋気にも当たりでのある金盥《かなだらい》
簪《かんざし》も逆手に持てば恐ろしい
朝帰り命に別状ないばかり
となると、ただごとじゃ済まなくなる。
浅草の花川戸に、立花屋という鼻緒《はなお》問屋があった。
ここの旦那は堅い人間で、女は女房のほかにまったく知らないという……堅餅《かたもち》の焼きざましのような性格だが、この旦那が、あるとき、仲間の寄り合いのくずれで、吉原へ誘われた。
一度遊んでみると、その味を忘れることが出来ない。毎日のように遊びに行くようになったが、根が商人《あきんど》だから、算盤を弾《はじ》いてみて考えた。こんなことをしていたんじゃあいくら身上《しんしよう》があってもたまったもんじゃあない。なんとか安く済ませる方法はないか、いろいろ思案した結果、花魁を身請《みうけ》して、根岸の里へ妾宅《しようたく》を構えて囲《かこ》った。
いわゆる船板塀に江市屋格子《えいちやごうし》、庭に見越しの松という家で、お妾に婆やに狆《ちん》が一匹……若い女《おんな》が湯上りで、派手な浴衣を着て、すっかり化粧をして、この狆を抱いている姿というものは、まことに絵のような光景で……。
この狆を抱いていると、当人が引き立つ……なかには狆と同じような顔をして……狆を生んだんじゃァないか……なんてえかたもいる。
で、旦那は、月のうち本宅に二十日、妾宅に十日泊るようになった。本宅のほうでは、このごろ旦那の様子がおかしい、と感づいて、調べてみると、案の定、根岸に妾宅があることがわかったので、本妻としてはおもしろくない。
「ただいま帰りました」
「お帰りなさいましっ」
「おい、なんだいその言い草は? おまえさんは女でしょ? 女は女らしく、もう少しやさしくできないのかい?……あーあ、くたびれた」
「ええ、そうでございましょう。お疲れでございましょう。ふン」
「おい、おかしなことを言うね。おい、お茶を淹《い》れておくれ」
「あたくしが淹れたお茶なんかおいしくございませんでしょ、ふン」
「おい、どうでもいいけど、そのふンてえのはおよしよ。感じが悪いよ。笑うんなら、あははと笑いなさい。……あー、腹がへった。飯《めし》を食おう、膳を出しとくれ」
「あたしのお給仕じゃァうまくないでしょう、ふン」
「いいかげんになさい」
旦那だって、これでは面白くないから、プイと飛び出してしまう。こうなると妾宅へ二十日、本宅へ十日と、ものが逆になってくる。そのうちには、だんだん本宅へ帰らないことになる。さあ、本妻のほうではおさまらない。こういうことになったのも、あの根岸の女ができたればこそだ、あの女を生かしておいてなるものか、祈り殺そうと、真夜中に、藁人形《わらにんぎよう》を杉の大木へ持って行って、五寸釘をカチーン、カチーンと打ちつけはじめた。
このことが妾宅のほうにも知れた。根が吉原にいた女だから意地じゃァ負けない。
「なんだって? あたしを五寸釘で祈り殺すって? ばかにしてやがら、なにも旦那にあたしのほうから来てくれって頼んでるんじゃないよ。旦那のほうで来るんだからしょうがないじゃないか。旦那の機嫌も碌《ろく》にとれないで、五寸釘が聞いてあきれらァ……ヘン、向うが五寸釘なら、こっちは六寸釘だ……婆や、六寸釘を買っといでッ」
根岸のお妾は六寸釘で、真夜中にカチーン、カチーンと呪いの祈りをはじめた。
これが、花川戸の本宅に知れたからたいへんで……、
「なんだい? 根岸で六寸釘で祈ってるって? 生意気なやつだねえ。よーし、そんならこっちは七寸釘だよ。すぐに七寸釘を買っといで」
さあこうなると、お互に八寸釘だ、九寸釘だと競争で呪いはじめた。
�人を呪わば穴二つ�——。
本妻の一心が通じたものか、妾がころッと亡くなった。途端に妾の一心が通じたものか、本妻も同じ日の同じ時刻にころッと亡くなった……。
こうなると、ばかを見たのは旦那のほうで、一ぺんに葬式《ともらい》を二つも出すという騒ぎ。野辺の送りも済ませて、ほっとする間もなく……花川戸の立花屋の蔵の傍から、陰火がぱッと上がったかと思うと、この火の玉がふワふワふワふワと、根岸のほうへ向って飛んで行った。すると根岸の妾宅から陰火が同じようにぱッと上がって、ふワふワふワふワと、花川戸のほうへ向かって飛んで行った。この火の玉と火の玉が大音寺前のところで、カチーンとぶつかって、火花を散らす……という騒動になった。
「ェェ番頭さん、ちょっとここへ来ておくれ」
「ェェなにか、旦那様ご用で?」
「おまえね、うちの評判を聞いたかい?」
「昨晩、ちょっと湯屋で耳にいたしましたが……火の玉のことでございましょう?」
「そうなんだ、どうもよくないねえ。そういう評判を立てられるということは、店の暖簾《のれん》にかかわるよ、信用にかかわりますよ……どうしたらいいだろう?」
「相手が火の玉のことでございますからな……如何でございましょう。これはお寺のお住持にお願いをして、有難いお経をあげていただいたら、それで成仏できるのではないか、と……」
「ああ、いいところに気がついた。それならば、あたしの伯父さんだ。谷中《やなか》の木蓮寺《もくれんじ》の和尚に頼もう」
と、旦那は木蓮寺へ行って、和尚に事情を話し、お経を上げてもらったが、火の玉はいっこうにおさまらない。
「これはェェ木蓮寺の伯父さん、どうぞお上がりくださいまし……旦那様、和尚さんがいらっしゃいました」
「ェェ……如何でございます」
「いや、そのことで参ったのだが、あの火の玉は、わしのお経など受けつけない」
「困りました」
「いや、そこでわしは考えた。生やさしいことでは駄目だ。どちらの火の玉も、もとはといえば、おまえさんをはさんでの悋気からはじまったことだ。今夜、おまえさんとあたしと大音寺前へ行って、両方から来た火の玉に、おまえさんがなんどり[#「なんどり」に傍点]と、慰めてあげなさい。で、両方が落着いたところで、あたしが有難いお経をあげれば、成仏できるだろう。なあ……」
「それよりいたしかたがないでしょう。まだ時刻が早うございますから、伯父さん、一局」
と、二人は碁が好きなので、これからぱちりッ、ぱちりッとはじめた。九ツの鐘がゴォーンと鳴って、
「旦那様、旦那様……ただいま九刻《ここのつ》でございます」
「ああ、忘れていた……あのゥ伯父さん、九刻を打ったようで、出かけましょう。……番頭さん、あとを頼みますよ」
旦那と和尚は浅草|田圃《たんぼ》を斜《はす》に抜けて、大音寺前。
「寂しゅうございますな」
「寂しいったって、ここは人殺しだの追剥《おいはぎ》の出るところだ」
「ただこうして待っているのも退屈なもんだな……えーと……」
「なにをしている?」
「煙草を吸いたいと思ったが、あいにく火道具を忘れてきちまった。……伯父さん、火道具ゥお持ちじゃァありませんか?」
「わしは煙草は吸わんから持ってはおらん。まァそこの木の根に掛けて待ってなさい」
しばらくすると、根岸のほうからひとつ陰火がぱッと上がったかと思うと、ふワふワふワふワ……。
「おいおい、あれが……おまえさん、お妾さんの火の玉だよ」
「ははあァ……なるほど……おいおい、おーい、ここだよ」
旦那が声をかけると、ぴゅーッと飛んで来て、三べんくるくるくるっと廻って、ぴたりと止まった。
「や、凄い勢いだね。しかしよく来てくれた。おまえの来るのを待ってました。ここにいなさるかたは、おまえは知るまいが、あたしの伯父さんだ。このことについていろいろ心配してねえ……で、おまえが出てくれる心持ちはよくわかってるんだけれど、なにしろ、あれこれと評判になっちゃァ困るんだよ……話の途中だが、ちょっと待っておくれ。あたしゃ煙草が吸いたいんだが、火がなくて困ってるんだ。ちょいとこっちへ来ておくれ。おまえの火で煙草をつけさせて……うん、うんうん、ついた、ついた。はァ、うまいねえ、有難う……そこでね、おまえが出て来ることはおだやかでないんだよ。でね、家《うち》の家内はね、あれァ素人でわからずやでねえ。だから、どうしてもおまえさんにつっかかるわけだが、そこはおまえさんは酸《す》いも甘いも心得てる苦労人だ。おまえさんのほうから下手《したで》に出て、姐さん、まことに相済いませんかなんか言ってくれりゃァ、向うだって悪い心持ちはしないじゃないか……あれと仲直りしておくれでないか。あたしがかわいそうだと思ったら、ねえ、なんとかうまくやっておくれ……もっとこっちへ来て、もう一服つけさしておくれよ」
と、旦那が煙草を吸っていると、花川戸のほうからひとつ陰火がぱッと上がったかと思うと、こっちは根岸の火の玉みたいにふワふワふワふワなんてそんな生やさしいものではない。びゅーんと唸りをあげて、まっしぐら……。
「おいおいッ、あれがおまえさんの女房の火の玉だ」
「いや、こりゃァもの凄いね……おいおい、おーい、こっちだ、こっちだ」
と、旦那が呼ぶと、びゅーんと一直線に飛んで来た火の玉が、ぐるぐるぐるぐると五、六ぺん廻って、ぴたりと止った。
「いや、よく来てくれた。おまえの来るのを待ってました。ここにいるかたはおまえも知っての通り、あたしの伯父さんだ。このことについていろいろと心配してねえ。でね、いまこれにも話をしたんだよ。すると、ようやくわかってくれて、姐さん、相済まないって、そう言って詫びをしようと言ってるんだから、おまえさんもいつまでも堅いことばかり言ってないでさ。あたしが困るじゃないか……だからね、ま、いろいろ話もあるけどもさ……ちょっと、ちょいとこっちへ来とおくれ、あたしが煙草を吸いたいから……」
と、旦那が煙管を持っていくと、火の玉がすーっとそれて、
「あたしの火じゃうまくないでしょ、ふン」
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