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歌月十夜135

时间: 2019-11-29    进入日语论坛
核心提示:*s167□公園前の街路散歩といったら公園だろう。時間も十時過ぎ。街が本格的に活性化しだしたように、公園も人々で賑わいだして
(单词翻译:双击或拖选)
*s167
 
□公園前の街路
散歩といったら公園だろう。
時間も十時過ぎ。街が本格的に活性化しだしたように、公園も人々で賑わいだしている。
幸せそうな子供連れの夫婦から始まって、もう秋だっていうのにまだ頑張っている出店のアイスクリーム屋、冬はまだ先だっていうのにアツアツに寄り添って歩くカップル、トドメににゃーにゃーと列を作って通りすぎて行くトラじま猫の大集団。

「……いや、最後のはちょっとヘンだ」
ヘンだけど、猫たちだってそれぐらいはしそうなほど絶好の散歩日和というわけだ。
こういう日はお気に入りのベンチでのんびり日向ぼっこをするにかぎる。
「文庫本でも持ってくれば良かったかな」
我ながら気の抜けた感想を洩らしつつ、いつものベンチへ足を向けた。

□公園
 噴水のある表通りとは違い、ここはまだ人通りが少ないようだ。
「ま、昼時になれば賑やかになるだろ」
それまで自販機でジュースでも買って、特等席のベンチでゆっくりしていよう。
 
—————あ。
なんてコト、ベンチには意外な先客がいた。

「———————————」
「———————————」
ばったりと目が合ってしまい、しばし、なんと口にしていいものか判らなくなった。
「——————————や」
やあ、と挨拶をしようとして口を動かす。
「……………………………」
けれど女の子はじっとこちらを見上げてくるだけで、声をかける事さえ躊躇われた。

「あー……その、こんにちは」
「……………………………?」
女の子はかすかに首をかしげるだけで、とりわけ何の返答もなし。
「ほら、前にも会っただろ? ……その、恥ずかしながらいつだったかは覚えてないんだけどさ」
「……………………………」
………やっぱり無言。
じっと見つめてくる視線は肯定しているのか否定しているのか、とにかく意味ありげで判別できない。

————しかし。
前にも会っただろう、なんてよく口にしたもんだ。
昨日のコトを思い出せないんだから、もしこの子に会っているとしても覚えている筈がないっていうのに。

「……うん、休んでるところを邪魔して悪かった。それじゃ、また機会があったら」
じゃあね、と手をあげて立ち去ろうとする。
「……………………………」
と、またその目。
一人でいたいようにもとれるし、話がしたいようにもとれる。
「…………まいったな」
本当に、そんな目をされるとまいる。
まだ名前も知らない女の子だっていうのに、放っておくコトができなくなるから。

「———あのさ。迷惑じゃなかったら、しばらくここにいていいかな」
「…………………」
女の子の顔が微かに上がる。それは了承の合図だと考える事にした。

「よし、それじゃ失礼」
女の子が座っているベンチとは別の、すぐ隣のベンチに腰をかけた。
「それじゃ少し話をしようか。ああ、つまらない話だから無理に付き合う必要はないよ。気が向いたら何かつっこんでくれるだけでいい」
「……………………………」
女の子はじっとこちらを見つめてくる。
 ……やりづらい。
やりづらいけど、まあ、なんとなくこの子の相手をするのは悪くない気がして、本当に些細でつまらない話を始めた。
 
□公園
「————あれ、もうお昼か」
どのくらい話をしていたのか、気が付けば時計の針は二つとも真上を指そうとしていた。
「……………………………」
結局、女の子は終始無言だった。
それでも時折こっちの話に反応してうんうんと頷く事があったりして、その時は妙に嬉しくなってさらに話に拍車をかけてしまった気がする。
【レン】
「……………………………」
女の子が立ちあがる。
時計を気にしている風でもなし、何かの気まぐれで立ちあがったような感じだった。
「……………………………」
そうしてまっすぐに見つめてくる。
こっちはこっちで女の子に慣れてしまった所があって、ん?と出来るだけ優しい視線を返してみる。

「なに、お出かけ?」
【レン】
【レン】
 違ったみたいだ。
【レン】
「それじゃトイ———じゃないよな」
あんまり失礼なコトを言ってはいけない。
……この子は何処かに行こうとしているけれど、その行くところが解らないような感じだ。

「あ———君、もしかして迷子なのか?」
【レン】
「いや、迷子っていうのは、なんて言うか……そう、お母さんとはぐれたとか」
「……………………………」
女の子は不思議そうに首をかしげたままだ。
……うーん、こっちの言っている事が解っていないってワケでもないと思うんだけど……。

「えぇっと、つまり———帰る場所が解らないってこと」
「————————」
あ、当たりみたいだ。
「ほんと? ……そうか、それじゃあいつまでもここにはいられないよな。よし、それなら———」
一緒に家を捜そうか、と言いかけた時。
【レン】
 女の子は、嬉しそうに笑みをうかべた。
 
「——————っ」
今まで無表情だった分、女の子の笑顔は衝撃だった。ほとんど不意討ちだと言っていい。それも即死。……こんなトコ秋葉に見られでもしたらなんて言われるか解らないほど、心臓がバクバクいってる。
「あ————いや、その」
なんて続けていいか解らなくなって言葉を泳がす。
———と。
女の子は笑顔のまま歩いて行ってしまった。

小さくなっていく後ろ姿。
「一人で大丈夫かな、あの子」
ベンチに座ったままぼんやりと呟く。
消えていく黒いコートを眺めるだけで、追いかけようという気持ちは湧いてこなかった。
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