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笑う茶碗10

时间: 2019-12-05    进入日语论坛
核心提示:わらしべ長者「シンちゃんアノサ」とツマが言った。昭和通りの中央分離帯のとこに、ハボタンとか植わってるじゃない。「あそこに
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わらしべ長者

「シンちゃんアノサ」
とツマが言った。昭和通りの中央分離帯のとこに、ハボタンとか植わってるじゃない。
「あそこに、ダンボールの棺桶みたいな家で寝てるホームレスの人がいるのよ」
「ああ、あの家ってさ、寝袋のようでもあり、棺桶のようでもあり、シェルターのようでもある。究極の家だよなー」
私はけっこう、ダンボールハウスに憧れを持っているらしい。実際に住んだら寒いだけなんだろうけど、風に吹かれながら傍を通ると、なんだか、あっちの方が「よさそう」に見えてしまうのだ。
「となりのダンボールハウス」ということだろうか。
「それもあるけど……」
とツマが言う。今はその話じゃない、ということらしい。
「そばにリヤカーも置いてあってさ、オジさん、ダンボール回収して暮らしてるらしいんだけど、そのリヤカーに満載したダンボールの束の上に、ものすごく無造作にルイ・ヴィトンのボストンバッグ、大っきいヤツ置いてあんのよ」
「ふーん、で?」
「で? って、ルイ・ヴィトンのボストンバッグだよ」
「高いの?」
「高いんじゃない。ルイ・ヴィトンだし」
そりゃあ、ダレかが要らなくなって捨てたのを、資源を大切にって観点から再利用してんじゃないの? と私は思ったのである。思ったのでそう言った。
「だって、新品同様だったよ」
とツマは言うのだった。あんなとこに無造作に置いといちゃ、ダレかにもってかれちゃうんじゃないか? と心配しているらしい。
「いくら、ビトンだか何かしらないけど、ホームレスの人から、物を奪おうなんて、そんな羅生門みたいな人はいないだろう」
と私は言ったのである。
「いや、あれはもってかれるよ」
と、ツマはなおも、ビトンのボストンバッグの安否を気づかっているのであった。
翌日、ハボタンの植わってるとこをまた通ったらしくて、再度報告があった。
「シンちゃんアノネ、あのオジさんは、どうもルイ・ヴィトンのコレクターだね」
「え?」
「だってさ、昨日のヴィトンとは別に、なんとかっていう市松模様になってるヴィトンの書類カバンみたいなのも、持ってるよ」
「それも無造作に置いてあんの?」
「うん」
「そりゃあ、アブナイじゃないか」
「うん」アブナイよ、不用心だよ、と言うのだった。
私達は、そのホームレスのおじさんの名字がわからないので、ルイさんと呼ぶことにした。
ルイさんは、もともとは、すんごいお金持だったんだけど、バブルがはじけて、今の商売をするしかなくなった。けれども、もってたボストンバッグと書類カバンだけは、売ったり捨てたりするにしのびなく、いまでもつかってるのじゃないか。
「それにしちゃ、あんなとこに置きっぱなしにしてるんだから、それはチガウと私は思う」
「ルイさんは、アウトレットツアーでイタリヤとかフランスとかに行ったかもしれない」
「ああ、ブランド志向のホームレスなんだ。家まではまだ手が回んないけれども、せめて身の回りのものは、ビシッとブランドものでキメたいタイプかな」
「いや、家ないとパスポートとかとれないと思うんですけど」
「だから、パスポート取ったときは家あったわけよ。一〇年のヤツ取っといたから」
「じゃあアレだ、ルイさんはシンちゃんみたいにダンボールハウス好きで、あそこに寝てるんで、本当はダンボールの商売、ムチャクチャ軌道にのってんじゃないの?」
今度、松屋の一階にできたルイ・ヴィトンに行って、カードで買ったと思うと言うのである。
「俺は、国際的インボー説だな、ルイビトンの競争会社が、東京中のホームレスに配ったと見たね。ルイビトンてよくホームレスが持ってるバッグ? とかって噂になったら、ブランド的にものすごくダメージあるじゃん」
「私はね、わらしべ長者説、かもしれない」
「わらしべとビトンと替えたヤツがいるの?」
「そんなにスグじゃない。いろいろあって、結局ボストンバッグと、書類カバンに、そのなんかと交換した説」
「そうか、そうすると、オジさんはあのカバン、いくらするのか、わかってない可能性あるな」
「そうなのよ、だから私は心配してんのよ、あんなに置いときっぱなしで、自分は棺桶で寝てるんだから」
「大事なもんは、ちゃんと家ん中に保管しとかなきゃなァ」
「でも、保管すると、自分が寝るとこなくなっちゃうのよねー」
私は、そのバッグが、なにかもうちょっと、オジさんの暮らしに役に立つものに交換されるといいなと思っているのである。
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