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笑う茶碗41

时间: 2019-12-05    进入日语论坛
核心提示:大晦日、狐の行列を見る「伸ちゃん、どうしようかァ、ボブ・サップ vs 曙も気になるけど、狐の行列ってのも放っとけないでしょ」
(单词翻译:双击或拖选)
大晦日、狐の行列を見る

「伸ちゃん、どうしようかァ、ボブ・サップ vs 曙も気になるけど、狐の行列ってのも放っとけないでしょ」
とツマが言うのである。大晦日から元日にかけて、王子で狐が行列するらしい。ホラといって切りぬいた新聞記事を渡されて見てみると、なるほど狐が行列している写真がのっている。
写真は去年のものらしいが、人間に化けた狐が、ちょうちんを持って行列している様子が、ハッキリクッキリ写っているのだ。
ツマは、どういうわけだか、提灯好きで、実家の千葉で使う、こんばん提灯や、お祭りにコドモが持つ提灯やら五、六コの提灯を所蔵している。
夏にはその六つばかりの提灯にすべて火を入れて、部屋中に吊るしてみたのだったが、なるほど提灯のあかりというのはなんとなくうっとりさせるような情緒がある。
狐の行列が出るのは王子で、我が家からもスコブル近所だ。広重の名所江戸百景の内「王子装束ゑの木 大晦日の狐火」っていう画があるが、行列はどうもこれと関係があるらしい。
「おもしろそうだ」と思ったら、即実行というのが、うちのヤリカタで、よし行こう、というので私は着物にトンビ、鳥打帽をかぶって出かける態勢になった。紅白歌合戦は、誰が歌っていた頃なのか、あんまりチャンネルがあっち行き、こっち行きしていて思い出せない。
格闘技の方は、吉田秀彦がホイス・グレイシーに負けてしまったが、ホイスは柔術家のくせに道着を脱いできて、ズルイ奴だ、というのが我が家の世論であった。
そのくらいの時期に家を出て、王子の装束稲荷というところまで、タクシーで出かける。
狐火と書かれた黄色い提灯が、たくさん吊りさがっていて、とてもカワイイ。行列の狐が和服を着ているせいなのか、見物客も和服の人が多い。
狐のお面や、きつねまんじゅうや、おいなりさん、甘酒、きつね酒など売っていたらしいが、ワレワレが着いた頃には売り切れたものが多かった。
狐のお面は、昔風の和紙でつくった泥絵の具の本格的なもの、印刷でつくったものもなかなか雰囲気があっていい出来だ。
三種類も買ってしまった。本命の提灯はすでに売り切れてしまったらしい。行列は一二時きっかりに装束稲荷を出発して、王子稲荷までの七〇〇メートルばかりを歩くらしい。
和服に、きつねのお面をかぶった人が何人もいる、と思ったら、顔に直接狐のメイクをした人も大勢いる。
白塗りをした上に、赤と黒で目鼻のフチドリをして、鼻のそばにヒゲが描いてあるのがバカバカしくて、とてもカワイイ。
化粧をしてあるからなのか、その顔を通行人がジロジロ見ても、一向に平気である。鼻が黒くしてあって、鼻のワキには三本ヒゲが描いてあるから、なんでもない時にやってたら、大笑いのハズなのに、あんまり平気に澄ましてるもんだから、人が狐に化けてるというよりも、狐が人間に化けてるふうにしか見えない。
町内の若い衆も、五、六人焚き火にあたってる顔を見てみると、みんな狐になっている。小さなコドモの狐はいっそうカワイイ。あちこちニコニコ歩いていると、ツマが女狐に「メークをしないか?」と誘われたらしい。
いったんは断ったけれども「やっぱりしてもらおうかな」と言いだした。なるほど、いっそ狐になってしまったほうが、もっと楽しいかもしれない。残念なことに、決意したときはもう、メークの狐はいなくなっていた。
狐と人間が交じっていて、狐にカメラを向けてる人もよく見れば狐である。案外、若い「女狐」も多くて、たいがい派手な古着の晴着を着ている。人間だと派手すぎるくらいなのが、かえって幻想的でいい。このイベントは案外これから若い女の子に人気が出るのじゃないか?
行列の時間までドトールで時間をつぶす。店のテーブルで年賀状の宛名書きをしている狐がいて、そのうち、同類らしい新顔の狐が入ってきた。「ボブ・サップがさァ」とか「曙もー」とか言っている。
どうやら、この大晦日にはじめて、格闘技を見たものらしく、PRIDEとK—1はどう違うのか、プロレスとはどういう関係なのか? といったギロンになっていて、耳を澄ましていても、曙が勝ったのか、ボブ・サップが勝ったのか判然としない。結局、勝負がアッケなかったことだけがわかる。
突然、元旦のカウントダウンが店内で起ったが、いきなりキスする人は一人もいなかった。さて、行列が来るはずだ。店を出て、歩道で待つ。
行列は、ほ……ん……とう……に、ゆっくりと、ほんとにただただ歩いてくるだけだった。裃をつけた、いかにもマジメそうなおじさんが、例の三本ヒゲで鼻の頭を黒くしているのは、素晴らしくカワイイ。
ワレワレの前を行列が通り過ぎたところで、またタクシーに乗って、さっと帰ってきてしまった。
暖かい部屋で一息つくと、先刻までのことが、まるでマボロシだったような気がしてきた。
「来年は、家からキツネになって行くってのはどうか?」とウチのキツネはやる気十分である。
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