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愛してると言わせて16

时间: 2019-12-07    进入日语论坛
核心提示:ネオ・ジャパネスクNHKの「はんさむウーマン」という番組で、年末に「ネオ・ジャパネスク」をテーマに取りあげるという。若い
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ネオ・ジャパネスク

NHKの「はんさむウーマン」という番組で、年末に「ネオ・ジャパネスク」をテーマに取りあげるという。若い女の人たちが「ジャパネスク」、つまり「日本的なるもの」を改めて見直して、暮しに取り入れ始めたあたりを取材するらしい。
私が「ひらり」の中でさかんに「ネオ・ジャパネスク」という言葉を使い、若い女たちが大相撲に夢中になったり、木遣《きや》りを習ったり、ということを書いているせいもあって、「はんさむウーマン」のプロデューサーから質問を受けた。
「今、本当にネオ・ジャパネスクなんでしょうか? 単なるファッションじゃないんでしょうか?」
日本的なものに対して、どこまで本当に若い女たちが興味を持っているのかは、私もよくわからない。数字として見たこともない。
ただ、日本的な精神文化はさておき、日本的な「物」に関していえば、これは目に見えて若い女たちの関心がひと頃よりは大きくなっていると思う。
その最も明らかなひとつの例は、骨董品《こつとうひん》店である。
骨董品といえば、かつてはお金持ちの老人しか縁のない、何やらカビくさいイメージがあった。ところが今、骨董品店には若い女客が必ずいる。それも、およそカビとは縁のない、イケイケギャル風の人たちも多い。私は以前から日本の古い茶碗や皿、タンス、布などが好きで、骨董品店をよくのぞく。それだけに以前と比較してわかるのだが、確かに若い女客はふえている気がする。
私自身は骨董品の価値などはまったくわからず、安くて気に入ったものがあれば買って、そしてごく日常に使う。お湯呑み、ごはん茶碗、徳利、小鉢、和ダンス、ソファカバーにしている古い久留米絣《くるめがすり》の布などで、これらが遠い江戸期や明治期のものだと思うと、何だかワクワクしてくるのである。いずれも全然高いものではない。専門家が見れば、傷があったり染が悪かったりで、二束三文のガラクタであろうが、私はそれでも十分に嬉しい。楽しい。友達にお茶を出す時、
「これサァ、江戸時代の茶碗なの。伊万里《いまり》よ」
などとサラリと言ったりすると二倍嬉しくなる。友達が、
「すっごーい。江戸時代!!」
などと驚いてくれたりすると三倍嬉しくなる。中には、
「江戸時代なわけないわよ。その値段じゃ買えっこないわ」
などと言う人もいるが、私は骨董品店のオジサンが「江戸」といえば江戸だと信じることにしているから、そんな言葉はどこ吹く風である。
そんなある晩、NHK近くの小さな骨董品店をのぞいて「やっぱり、風はネオ・ジャパネスクかも」と確信した。店内には若い女の人たちが五人もいたのである。その中の二人は、夢中で古い染付けの皿を選んでいる。小さな店なので、彼女たちの声が聞こえてきた。
「私、このお皿買う。一枚二万円はちょっと痛いけど、今年のクリスマスはアパートで一人だから」
「うん。買った方がいいよ」
「ね。これにケーキのっけて食べれば、ま、一人でも何とか我慢できる」
「うん。私はこの徳利買うわ。明治初期のものだって。この模様、たこ唐草っていうんだよね」
「それ、忘年会の時に使おうよ」
聞くともなしに聞いていると、二人は恋人もなく、クリスマスも初詣《はつもうで》も一人か、もしくは女だけという雰囲気である。彼女たちは二万円の皿と、一万二千円の徳利を買うと、木枯しの町に嬉しそうに出て行った。
女たちがこんな楽しみ方を覚えたとすると、「ネオ・ジャパネスク」は地道に根を張っていくのかな……と思える。一枚二万円という皿は決して安くはない。それもヨーロッパブランドの新品ではなく、言うなれば古皿である。それでも、古い皿が自分の一人ぽっちの淋《さび》しさを和らげてくれることに、彼女たちは気づいている。ホテルのアーケードで買ったヨーロッパブランドの新しい皿では慰めにならないことにも気づいている。そんな気がしてならなかった。
やがて私も店を出ると、クリスマスプレゼントを買おうと思い、小さなブティックに入った。包装してもらう時に、店員さんが聞いた。
「包装紙の色は何になさいますか? 浅黄色、蜜柑《みかん》色、萌葱《もえぎ》色、それに群青《ぐんじよう》色と墨色がございます」
これには驚いた。従来ならクリーム色、オレンジ色と言っていたはずである。若い女客が、「萌葱色ってどんな色ですか」と聞いていたが、こんな言葉の復活は今までありえなかったことである。
包装された品物を受けとって、私はまた驚いた。リボンではなく、水引きがかけられていたのである。
確かにこれらは「ネオ・ジャパネスク」というファッションかもしれない。今まで、ないがしろにされていた和風趣味がトレンドになっただけで、日本文化の見直しというほどのものでもないのかもしれない。
しかし、それでも私は古い皿に二万円払ったり、萌葱色という言葉を耳にしたり、ただそれだけでも十分に価値があると思う。それが少しずつ、少しずつ厚みになって、本格的に日本文化を見直す日が来るように思う。
年末年始、私も萌葱色の着物を着て日本酒でもあっためようか。どうせなら飲みすぎた時にはカッポレでも踊れると、これこそ「ネオ・ジャパネスク」の真髄なんだけどなァ。
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