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寝ながら学べる構造主義19

时间: 2019-12-08    进入日语论坛
核心提示:2 サルトル=カミュ論争の意味[#「2 サルトル=カミュ論争の意味」はゴシック体] ほんらい「参加する主体」は決断に先立
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2 サルトル=カミュ論争の意味[#「2 サルトル=カミュ論争の意味」はゴシック体]
 ほんらい「参加する主体」は決断に先立って、どう決断すべきかの「正解」を知らないはずです。(ですから、善意のつもりで人を困らせたり、利己心に基づいて行動したらみんなが泣いて喜んだ、というような「不条理」が起こることにもなるのです。)しかし、「評価を後世に待つ」と言うとおり、ある決断が正しかったかどうかは事後的に判定されます。つまり「歴史」が決断の正否の裁決をすることになります。
たしかに私たちは全員が歴史的状況に「投げ込まれている」のではありますが、もしその歴史の「流れ」に法則性があり、それを正しく読み当てることができたなら、「参加する主体」はつねに「正しい決断」を下すことができることになります。さて、マルクス主義者によれば、「歴史の法廷」は「歴史を貫く鉄の法則性」が領しています。ですから、この「鉄の法則性」を知ったものは、状況的決断において過《あやま》つことがない、ということになります。サルトルはそう考えたのです。(サルトルは「誤る」ことが大嫌いな人だったのです。ときどき政治的判断を間違えるくらい、人間なんだから仕方がないと思うんですけどね。)
例えば、一九五二年のサルトル=カミュ論争において、サルトルは歴史の名においてカミュを告発しました。
レジスタンスの伝説的闘士として戦後フランスの知的世界に君臨した一九四五年において、カミュの主張は歴史的に「正解」でした。しかし歴史的条件が激変した七年後には別の答えが「正解」になります。
歴史的状況の変動を見定めて、そのつどもっとも適切な階級的任務を果たすことが知識人の使命であるにもかかわらず、カミュは自己変革の努力を怠り、知識人としての歴史的責務を果たし得なかった。レジスタンスを領導したときのカミュは歴史的に正しかったが、同じ立場にとどまって第三世界の民族解放闘争への全面的コミットをためらうカミュは歴史的に間違っている。サルトルはそう書きました。
「君が君自身であり続けたいのなら、君は変化しなければならない。しかし君は変化することを恐れた。」サルトルはこう言って、かつての盟友カミュに思想家としての死を宣告したのでした。
実存主義はこうして一度は排除した「神の視点」を、「歴史」と名を変えて、裏口から導き入れたような格好になりました。レヴィ=ストロースが咎《とが》めたのは、この点です。
主体は与えられた状況の中での決断を通じて自己形成を果たすという前段について実存主義と構造主義は別にどこが違うわけでもありません。しかし、状況の中で主体はつねに「政治的に正しい」選択を行うべきであり、その「政治的正しさ」はマルクス主義的な歴史認識が保証する、という後段に至って、構造主義は実存主義と袂《たもと》を分かつことになったのです。
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