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海嶺42

时间: 2020-02-28    进入日语论坛
核心提示:重右衛門日記  十月十八日本日もまた戌亥《いぬい》(北西)の風吹く。昨日も今日も、帆をおろして漂えり。帆を張りてはいよい
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重右衛門日記

  十月十八日
本日もまた戌亥《いぬい》(北西)の風吹く。昨日も今日も、帆をおろして漂えり。帆を張りてはいよいよ流され行くばかりなり。午より、風|悪《あ》しく心に委《まか》せず。波次第に高くなり、海上に泡《あわ》数多《あまた》浮かぶは、台風の前兆《ぜんちよう》ならずやと、水主たち立ち騒ぐ。
それさえあるに、炊頭《かしきがしら》の勝五郎、このあと、水幾日も持たずと告げ来たる。今日もまたみくじを引かんと、水主一同言い出しければ、幾日後に帰国できるや、大神宮に伺いを立つ。またまた一同|水垢離《みずごり》を取り、一万回のお祓《はら》いをなす。
白紙には、二十日より百日まで、十日刻みに日数を記したり。またまた一同一心に祈りたれば、五十日との託宣《たくせん》あり。五十日と聞きて喜ぶ者、長過ぎると言う者あれど、必ず帰国できる望み出でて、大方の者|安堵《あんど》せり。神の御告《おつ》げの力は大いなり。堅く信じて動かさるるべからず。
されど岩松|吾《われ》に言う。このあたりの海、東風《こち》弱く、戌亥の風は強し。潮流はまた風の向きと同じなれば、いかにして故国に帰り得べしと。吾答う。神の御告げ断じて疑うべからずと。
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