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海嶺41

时间: 2020-02-28    进入日语论坛
核心提示:重右衛門日記  十月十七日本日再び東風《こち》より戌亥《いぬい》に変ず。いよいよ故里遠くなりたれば、船内心|倦《う》みた
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重右衛門日記

  十月十七日
本日再び東風《こち》より戌亥《いぬい》に変ず。いよいよ故里遠くなりたれば、船内心|倦《う》みたる者、嘆く者、賭博《とばく》なす者、水垢離《みずごり》を取る者様々なり。かくてはならじと、水主頭《かこがしら》仁右衛門言い出ずれば、岡廻《おかまわ》り、舵取《かじと》りらと対策を協議す。岡廻り言うには、大神宮の神勅《しんちよく》を伺わん。水主頭言う。何を伺うや。岡廻り言う。故国より何方《いずかた》に、何里の所にあるかを伺わんと。水主たちにその旨をふれ出すに、倦《う》みたる者も打ち臥したる者も、皆々垢離を取りて神前にぬかずく。
音吉に命じ、米を一|升《しよう》ますに八分方《はちぶかた》入れしむ。そのますに二百里、百五十里、百里、八十里、五十里、三十里など、記しし紙を丸めて入れ、一万遍のお祓《はら》いをなす。お祓いを始むれば、水主たち一同思い思いの神々に念じ始む。かくてお祓いにつきたるくじをひらけば、八十里と出でたり。もはや百里も二百里も彼方に流れたりと思い諦《あきら》めいしも、八十里と聞きて一同涙流して喜べり。大神宮の神勅なれば、万に一つも違《たが》うことなしと、吾《われ》も一同に向かいて宣《の》べたり。されば故国に帰るは幾日後ならんか、再び伺い給えと岡廻り言う。他の者また口々に同じことを願う。炊頭《かしきがしら》進み出で、一度に二つも伺いを立てては神の怒りを買うやも知れず。今日はこの御告《おつ》げにて足れりとせよ。一同肯きて言う。神の機嫌《きげん》を損じてはならじと。かくてようやく一同生色を取り戻《もど》す。
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