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海嶺53

时间: 2020-02-28    进入日语论坛
核心提示:重右衛門日記  十月二十九日雲|何処《いずこ》にか去りて、今日も雨降らず。ようやく吾も、体疲れ心疲る。今日もらんびきをな
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重右衛門日記

  十月二十九日
雲|何処《いずこ》にか去りて、今日も雨降らず。ようやく吾も、体疲れ心疲る。今日もらんびきをなして水を得。音吉よく働く。父源六の目高しと、改めて思おゆれども、音吉、お琴のもとに帰る日のありやなしや。十四歳を一期《いちご》として、この海の何処にか果てんと思えば、仲々に哀れなり。
岡廻《おかまわ》り六右衛門、今日も床より起きず、屡々《るる》泣き居り。算盤達者《そろばんだつしや》の学ある男なれど、心弱きこと吉治郎と相似たり。吉治郎もまた、臥して起きず。吾、心の裡《うち》に思う。先ず心の弱き者より、体衰えて死ぬるにあらざるかと。吾や先、人や先の経文にはあらざれど哀れなることなり。さてここに二、三書き残し置くべし。
大風の兆《きざ》しに左の如きものあり。
一、海原に泡《あわ》数多《あまた》浮かぶはそのしるしなり。
一、風穏やかなるに、海騒然とするは大風近きと知るべし。
一、塵芥《ちりあくた》海面に多き時は、厳に警戒すべし。
一、波黒々と見え、且俄《かつにわか》に騒がしき時は風間近に来り居るなり。
一、海の潮ぬるむ時、大風来ると心得べし。
一、冬季、霞《かす》める如く暖かきは、これ大風のしるしなり。
続きて沖に雷光《らいこう》見ゆれば、これ一つ雷《かみなり》にて、一つ光《ひかり》とも言う。たちまち水平線の点々たる雲空を覆い、嵐となる。これ、宝順丸初めに遭《あ》いたる嵐の姿なり。嵐は必ずしも雨を伴わざること、一同知るが如し。
 以上おおよそのことなれど心得置くべし。特に、音吉、久吉など、幼き者のために記し置く。
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