日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

ぐうたら愛情学22

时间: 2020-10-10    进入日语论坛
核心提示:1 女の「強さ」とは すべてが同等であり得るか 執筆者と読者の関係なんてツマらねえな。大体、執筆者なんて高いところから悟
(单词翻译:双击或拖选)
1 女の「強さ」とは
 
 すべてが同等であり得るか
 執筆者と読者の関係なんてツマらねえな。大体、執筆者なんて高いところから悟りすましたような良識でものを言うね。大説をのべるもんです。
 大きな説なんかぼくア、恥ずかしくって言えないんだよ。みんなと同じようにアレコレ人生に迷っとるんです。せいぜい小声で小さな説をのべるが力一杯。だから小説家って言うんだ。
 こっちにいらっしゃいよ。悪いことしないから。遠藤周作いい男。あなたの恋人や御主人と同じくらい、いい男。コワくない。コワくない。一緒にストーブのそばで蜜柑《みかん》でもたべながらだべろうよ。
 しかし何、話そうかなあ。
 ずっと昔、ぼくにガール・フレンドがいた。ぼくだってガール・フレンドぐらいいましたよ。あなたと同じほど綺麗《きれい》でした。でもないかな。ある出版社の編集部に勤めていてね。この娘。
 その娘がデイトのたびに会社での不平言うんです。男性社員の悪口言うんです。
 当時、猫も杓子も阿呆《あほう》の一つ憶《おぼ》えのように、「封建主義」とか「反動」とか昔のこと、古いしきたりを非難している頃でね、彼女もよくその言葉を使っていたなあ。
「うちの会社ってすごく封建的なのよ。本当に嫌になっちゃう」
「なぜさ」
「まア聞いて頂戴《ちようだい》よ、こんなことってある。初任給からして男と女は違うでしょ。それは学歴が違うからしてまあ、いいとしても、女の子は出勤すると、すぐみんなの机の上なんか片付けたり、そこらを掃除させられるのよ。男の人はそんなことしなくてもいいの」
「ふうん」
「お客さんが来たらお茶を出すのはあたしたち女の子の仕事だし……それに編集会議だってほとんど男の人たちでやっちゃうの」
「なるほどねえ」
「あたしがね、一番|口惜《くや》しいことはうちの会社じゃ、女はチョウになれないことなのよ」
「チョウ? チョウって蛾《が》や蝶のチョウか」
「あんた馬鹿じゃない? チョウっていうのは編集長や課長のことよ。あたし仕事じゃ男の人には絶対、負けないつもりなんだけど、それでもいくら勤めたって長にはなれないのよ。不公平だと思わない。男と女と能力に違いはない筈よ。あたしたちのお母さんの時代は別だけど、今のあたしたちは決して男に負けないんですから。こんな差別待遇って、ひどく前近代的だと思うわ」
「ああ」
「ああ[#「ああ」に傍点]って、あなた、私の言う通りだと思わない。あなたも、うちの会社の男たちと同じように封建的な考えの持主じゃないんでしょうね。男女平等を認めるんでしょうね」
 当時、ぼくはその娘に多少、心が動いていたからね、相手の機嫌を損じたくなかったし、それに若いくせに古いって言われるのがコワかったからうなずきましたよ。そうだ、そうだって。君の会社の男たちは横暴だ。ひどい。現代男性の風上《かざかみ》にもおけないって。
 「女らしさ」の行き場所
 しかしこの娘、ヘンな奴だったなあ。この議論のあとで、たとえば喫茶店にいく、何かを食べにいく。そして勘定の時になると、さっさと自分だけ先に出て、金はぼくに払わしたもんです。それも一度や二度じゃないよ。毎度ですからね。
 大きい声では言えないが、男ってのはもともとケチでね。娘とデートの時、奢《おご》るのはあれは虚栄心からですよ。そしてぼくア、虚栄心って奴があまり好きじゃないからさ、言ってやったんだ。
「なぜ喫茶店やレストランで男の俺ばかり払わなきゃあ、いけないんだ」
「まア」
 彼女は眼を丸くしてビックリしたような蔑《さげす》むような口調で教えてくれましたよ。
「あなた、野蛮人ね、女は弱いんですよ。だから男は女を大切にするのが当り前なのよ。女に払わすなんて、最低の男なのよ」
 ぼくは黙っていた。黙っていたが心の中で、何言ってやがんだい。いい気になるな、世の中に甘ったれやがって。真実そう思いましたな。
 だって、あんた、そうじゃないか。彼女はさっき男と女は平等であるべきだ。男に女は決して負けない。そう言ってたんだ。
 それがさ、平等である女が男にケーキ代、珈琲《コーヒー》代を払わして、「女はか弱いんだから、いたわれ」とこう、きやがる。平等ならば、喫茶店に入った時、男と女は割カンでいけばいいじゃないか。少なくとも二回に一回ぐらい払えばいいじゃないか。
 都合のいい時は男女平等、都合わるい時は「か弱い女」、これじゃあ、オテントさまだって泣くわいな。あんまり虫がよすぎますわいな、そうぼくは心中、考えた。考えたけど言いませんでしたよ。言えば、ハジキ豆のように叫びはじめるですからね、彼女は。
 世間が冷たいのか……
 それから十数年。ぼくも大人になりました。時々、あのガール・フレンドのことをふっと考える。今頃、いい女房になっていることでしょう。子供の二、三人もあることでしょう。
 しかしだ。彼女の不平は今でも耳に残っている。うちの会社じゃ男ばかりを大切にする。その不平はあの頃の彼女と同じような娘さんたちにぼくは今でもよく聞かされますよ。
 でもねえ、もし、ぼくがその会社の重役だったら、社員だったら、女の子を男性と同じ待遇にはしない。今ならもうガール・フレンドがコワくないから、そうハッキリ言えるような気がする。女性読者、怒った? 怒ったのなら、ぼくに抗議状、送って下され。無記名はイヤだよ。ちゃんと名前と住所を書いてね。
 なぜかって。当り前でしょ。女の子の大半は(現状のところ[#「現状のところ」に傍点])その九十九パーセントまでがお嫁にいく。途中で会社をやめる。いいかえれば会社と一生、運命を共にはせぬ存在だ。
 ぼくがその会社の社員なら、一生、会社に自分を賭けようと思うよ。そういうぼくに、途中で会社をやめるような女の子に同僚意識を持てるかい。友情をもてるかい。腹の底うちわって語りあおうと思うかい。思う筈がないですよ。
 ぼくがその会社の重役なら、会社を途中でやめるときまっているか、その可能性のある女子社員に重大な仕事を委せられるかい。教育しようと思うかい。自分の片腕として何かを託す気になるかい。ならんですよ。
 あなたがもし男なら、ぼくのこの理屈はハッキリわかる筈です。世の中なんて、そんなに甘くないですからね。
 まあ、そんなこたア、どうでもいいことだ。要するにぼくの言わんとするのは、戦後の男女同権、あれを女性は実に、なめて、考えてきましたね。少なくともあの同権論を本気で噛みしめようともせず、世の中に甘ったれたんではないのかな。都合のいい時は同権、都合がわるい時はか弱い女に早変り、ぼくのガール・フレンドのような場合は御愛嬌《ごあいきよう》があるが、御愛嬌じゃ生きてはいけませんからな。
「戦後、強くなったのは女と靴下だ」なんて男がよく言いますが、あれほど女をなめた言葉はありませんや。正直言いましょう。女は全然、強くなってませんよ。靴下も強くはならなかったけど。
 近頃、女子学生がどこの会社からもシメ出されるでしょう。女子学生はひどいと言って怒るけど、ぼくは思う。あれは女子学生だけの問題じゃない。戦後の日本女性が世間を甘くみた結果だと。読者よ。怒った? 怒ったのなら手紙をおくれ。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%