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森林の除染範囲 取りまとめへ
7月10日 4時26分
森林の除染を効果的に行なう方法についての環境省の検討会が開かれ、雨によって放射性物質がどう流れ出るかや周辺の生態系への影響などを詳しく調べたうえで、森林のどれくらいの範囲を除染するかとりまとめることになりました。
森林の除染について、環境省は人の生活圏から20メートルの範囲までは実施する方針を示していますが、福島県などからはより広い範囲の除染を求める声があがっています。
これを受けて、環境省の専門家による検討会がきのう開かれ、国立環境研究所の林誠二室長が茨城県の筑波山で行なっている調査の結果を報告し、森林内の土に蓄積された放射性セシウムの0.3パーセントが雨によって1年間に流れ出たというデータを示し、「雨で流れ出る放射性物質の割合はきわめて小さいのではないか」と指摘しました。
これに対し、ほかの委員からは、除染の方法を考えるにあたっては、一緒に流れ出る土の量や質、それに森林の下草の状況を詳しく調査することや、周辺の生態系に放射性物質がどのように移動するかを調べる必要があるという意見が出されました。
環境省は、福島県内で行なっている調査結果も参考にしながら、どれくらいの範囲まで除染するかの方針を改めてとりまとめることにしています。