ASEAN 共同声明見送りか
7月13日 6時34分
チュウゴクとアセアン東南アジア諸国連合の加盟国の一部が対立するミナミシナカイの領有権問題です。アセアン各国の立場の違いで、9日の外相会議の共同声明がまとまらず、協議は事実上打ち切られました。定例の外相会議で声明の採択が見送られる異例の事態となる可能性が強まっています。
アセアンは、今月9日、カンボジアの首都プノンペンで外相会議を開き、チュウゴクとフィリピンやベトナムとのあいだで対立が深まっているミナミシナカイの島々の領有権問題について協議しました。
会議では、フィリピンがミナミシナカイの浅瀬をめぐり、2か月以上チュウゴクの船舶とにらみ合いとなった問題を共同声明に盛り込むよう求めたところ、チュウゴクと経済的な結びつきが強い議長国のカンボジアが反対し、声明がまとまらない事態となりました。これを受けて、アセアン各国は、断続的に協議を続けてきましたが、昨夜、フィリピンの外相が帰国し、協議は事実上打ち切られました。
これについて、アセアンの外交筋は、NHKの取材に対して、「近いうちに声明がまとまることはまったく期待できない」と述べ、声明の採択が見送られる可能性が強まっていることを明らかにしました。
アセアンの定例の外相会議で、共同声明が出ないのは異例のことで、2015年に経済分野などでの共同体の設立を目ざすなか、加盟国間の亀裂が深まる深刻な事態となっています。