自殺 19人が生徒への暴行を目撃か
7月12日 6時19分
大津市で中学2年生の男子生徒が自殺したことをめぐり、警察は、同級生らが体育大会で男子生徒を暴行した疑いで、昨夜、学校などを捜索しました。学校のアンケートでは、「体育大会での暴行などを直接見た」と答えた生徒が19人に上っていて、警察は、目撃した生徒らから引取りをして、来月中をめどに立件するかどうか判断する方針です。
去年10月、大津市で中学2年生の男子生徒がマンションから飛び降りて自殺し、大津市教育委員会は、生徒が複数の同級生からいじめを受けていたことを認めています。警察は、自殺した生徒が受けていたとされるいじめと自殺との関連などを調べるため、生徒が通っていた中学校と大津市教育委員会を昨夜捜索しました。
警察によりますと、捜索の容疑は、自殺のおよそ2週間前に学校が開いた体育大会の会場で、3人の同級生が生徒の手足を鉢巻きなどで縛るなどして、暴行した疑いだということです。
学校が全校生徒を対象に行なったアンケートによりますと、「この体育大会で、男子生徒が暴行や嫌がらせを受けているのを直接見た」と答えた生徒が19人いて、そうした話を聞いたとする生徒とあわせると34人に上っています。
警察は、学校側からアンケートの提出を受けて、こうした情報をすでに把握しており、目撃した生徒らから夏休みに集中的に聞き取りを行い、来月中をめどに立件するかどうかを判断する方針です。
生徒の自殺をめぐって、中学校に強制捜査が入るのは異例です。滋賀県警察本部の生活安全部長は、「自殺した少年に何かあったのか。未然に防げなかった原因は何かなど、事実や原因を徹底的に究明すべきと考えた。教育委員会や学校などによるいじめの対応や調査の実態の全容も明らかにしていく」というコメントを出しました。
一方、元検察官の若狭 勝(わかさ まさる)弁護士は、次のように話しています。「警察が学校に捜索に入るというのは、生徒への心理的な影響も大きいですし、単なる暴行だけの事実、そういう視点だけだとすると、やはり行きすぎていると。かなり慎重に工夫しながら、事情を聞くということが求められると思います。」