風疹 この5年で最悪の流行に
7月19日 5時9分
妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんに障害を引き起こすおそれのある「風疹」が首都圏や関西で、さらに広がり、この5年で最悪の流行となっていることから、国立感染症研究所は、ワクチンの接種など対策の徹底を呼びかけています。
熱や発疹などの出る風疹は、患者の咳やくしゃみを通じて感染し、妊娠初期の女性がかかると、赤ちゃんの聴覚や心臓に障害を引き起こすおそれがあります。
国立感染症研究所によりますと、ことし、全国の医療機関で風疹と診断された患者は、これまでに594人と、すでに去年1年間の1.6倍にのぼり、この5年で最悪となっています。
今月8日までの1週間に新たに診断された患者は75人で、都道府県別では、東京都が34人でもっとも多く、神奈川県が15人、兵庫県が11人と、首都圏と関西で感染の拡大が続いています。
流行の中心は、20代から60代の男性で、全体のおよそ60パーセントを占めています。この世代の男性は、風疹の予防接種を受けていないことが多く、30代から50代前半の5人に1人は、風疹に対する免疫がないという調査結果があります。
国立感染症研究所の多屋 馨子(たや けいこ)室長は、「感染が広がっている世代は、家族や同僚など、周囲に妊娠中の女性がいる可能性が高いので、赤ちゃんへの影響が懸念される。予防接種を受けた記録のない男性や妊娠を希望する女性は、ワクチンの接種をしてほしい」と話しています。