大飯 志賀原発の亀裂調査指示
7月18日 22時44分
大飯原発、2号機と3号機のあいだの地価をおよそ900メートルにわたって、南北に走る「F6」と呼ばれる亀裂があります。これについて、きのう開かれた専門家会議では、「これまでの調査では、情報が不足していて、活断層かどうか判断するために、調査が求められる」といった意見が相つぎました。
「きょう初めて見る資料たくさんあるんですけれども、活断層でないと否定するような資料は、ほとんどわかりません。」 「きちんと判断できるような調査をする必要がやっぱあるんではないかというふうに思います。」
こうした専門家の指摘に、どう対応するのか。保安院は、今夜、関西電力に現地調査をするよう指示しました。
3号機が運転中で、4号機の原子炉が今夜起動した大飯原発。保安院は、「活断層だという明確な指摘はなく調査する場合は、原子炉の停止は求めないが、調査の結果しだいでは、運転に影響を与えるおそれもある」と話しています。
現地で会見した牧野副大臣は、「さらに安全を期するために、調査したほうがいいだろうと、そういう感じ。」牧野副大臣は、「あくまで念のための調査で、4号機の再稼動の工程には、影響はない」と強調しました。
一方、保安院は、今夜、北陸電力にも現地調査を指示しました。石川県の志賀原発1号機、その真下には、長さおよそ300メートルの「S1」と呼ばれる亀裂があります。専門家から、「これまでの調査が甘く、活断層の可能性が高いが、調査が不足している」という厳しい意見が相ついだためです。
国の耐震設計の指針では、活断層の真上に、原発の重要な設備を設置することを認めておらず、志賀原発については、亀裂が原発の真下を走っているため、亀裂が活断層だった場合は、原子炉が運転できなくなる可能性があります。
また、枝野経済産業大臣は、この「S1」と呼ばれる亀裂が、これまでの保安院の耐震性チャックで見落とされていたことを受けて、保安院に対し、ほかにも見落としがないか、調査するよう指示しました。