駐在所で夜間に情報引き出す
7月22日 4時16分
長野県警察本部の警察官2人が、自動車の使用者の情報を警察OBの探偵業者に不正に漏らしたとして逮捕された事件です。警察官の1人は、職場の駐在所の端末から同僚がいない夜間に大量の情報を引き出していたことがわかりました。警察は、住み込みの立場を悪用して、不正を繰り返していたとみて調べています。
長野県警察本部の巡査部長の石黒 俊雄(としお)容疑者と倉品宏容疑者、2人の警察官は、OBで探偵業の平林 大生(だいお)容疑者に、警察情報システムから引き出した自動車の使用者の名前や住所を不正に漏らしたとして、地方公務員法違反の疑いで逮捕されました。
3人は、以前、同じ警察署に勤務していたということで、倉品巡査部長は、「OBの頼みを断りきれなかった」と供述しているということです。警察は、容疑を裏づけるため、きのう、警察官2人が所属する警察署などを捜索しました。
今回の情報の漏えい、4年前から行なわれていた疑いがあります。その半年前に、自動車の使用者の情報が本人以外取り寄せられない仕組みに変わったことから、警察は、平林容疑者が仕組みの変更を機に、2人から不正に情報を引き出すようになったとみています。
石黒巡査部長は1件2000円で不正に情報を漏らし、平林容疑者はこの情報を1件1万数千円、愛知県内の調査業者に転売していたということです。
石黒巡査部長が勤務していた駐在所、情報の漏えいはここで行なわれていました。警察がアクセス記録を調べたところ、住み込みで勤務していた石黒巡査部長が同僚がいなくなった夜間に、駐在所の端末から大量の情報を引き出していたことがわかりました。
石黒巡査部長は、平林容疑者から依頼を受けるたびに、情報を引き出しては、携帯電話を使って伝えていたということです。漏らした情報は、3年間で少なくとも2000件を超えるということで、警察は、石黒巡査部長が住み込みの立場を悪用して、不正を繰り返していたとみて調べいます。