オスプレイ陸揚げ完了 地元は反発
7月23日 18時24分
アメリカ軍の最新型輸送機オスプレイを積み込んだ貨物船は、けさ、山口県のアメリカ軍岩国基地に到着し、夕方までに合わせて12機がすべて陸揚げされました。
オスプレイは、1機ずつ小型の車両にけん引されて、格納庫の前の駐機場に運ばれました。機体は、船で運びやすいよう主翼が胴体と並行になるよう、およそ90度回転した状態で積み込まれていたため、兵士が再び主翼を回転させたり、折りたたまれていたプロペラを外側にひらくよう展開させたりして、元の形に戻す作業を行ないました。到着したオスプレイ12機の陸揚げは、作業開始から9時間あまりたった午後5時半ごろ終了しました。アメリカ側は、岩国基地で機体の整備や試験飛行を行なったあと、普天間基地に配備し、10月から本格的な運輸を始める方針です。
「オスプレイ配備反対!持ちかえれ!」
岩国近くの堤防では、市民団体のメンバーなどが抗議活動を行ないました。
「岩国への搬入反対!」
岩国市の福田市長は、市の施設で入港の様子を確認しました。
「やりきれない思いでいっぱいであります。国と地方との信頼関係が大きく崩れかねないということを、しっかりと国に伝えていきたいというふうに考えております。」
渡辺防衛副大臣は、きょう午前、東京都内で次のように述べ、安全性に対する地元の懸念をできるだけ払拭したいという考えを強調しました。
「アメリカに専門家が行って、事故の原因についてわかる限りのことを答えをもらおうと。意見を当然、日本側としてアメリカに対して言うべきだろうなと。」
一方、東京にあるアメリカ大使館は異例の声明を発表し、「オスプレイは日本を防衛し、アジア太平洋地域の平和と安全を維持するうえで、欠くことのできない存在だ」と述べて、重要性を強調しました。声明では、さらにオスプレイの安全性への懸念に対処するため、アメリカ政府として最大限の努力をしていることを強調し、日本側に理解を求めています。