横光利一ゆかりの地 公園に
7月23日 6時6分
昭和初期の小説家横光 利一(よこみつ りいち)が少年時代を過ごした三重県伊賀市にある家の跡が公園として整備され、小説に登場する井戸が復元されました。
昭和初期に、川端康成と並んで「新感覚派」として作品を残した横光利一は、少年時代の4年間を伊賀市にある親類の家で過ごしました。この家の跡地およそ260平方メートルが公園として整備され、きのう、地元の人など150人が集まって開園の式典が行なわれました。
公園には、横光の小説「笑われた子」に出てくるシーソーの片方におけをつけて水をくむ「跳ねつるべ」と呼ばれる大きな井戸が復元されました。
また、小学校時代の手紙の写しなどを記した金属製のパネルが設置され、集まった人たちは、井戸で水くみなどをして、横光が過ごした時代に思いをはせました。
「横光利一が『ここにいたよ、こんなことを考えていたよ』と分かるようにということで整備をさせていただきました。小説のなかのある舞台を1つでも2つでも、こうやって小説家というのは、考えながら書いたんだなと分かってもらえたら、それだけで十分、この公園の価値があるのかなと思ってます。」