諫早湾干拓事業 開門調査で農相現地入り
7月28日 14時39分
郡司農林水産大臣は長崎県の諫早(いさはや)湾干拓事業をめぐって、漁業への被害との関係を調べる開門調査の実施に向けて、大臣就任後初めて長崎県と佐賀県を訪問し、地元関係者と意見交換を行なっています。
諫早湾干拓事業をめぐって、政府は事業と漁業への被害との関係を確かめるため、来年12月までに堤防の排水門を一部に限って開ける方法で調査を行なう方針ですが、長崎県や地元自治体は開門した際の農業や防災への対策が不十分だとして反対しています。
こうしたなか、郡司農林水産大臣は、まず佐賀県の古川知事や漁業関係者らと意見交換を行ない、「定められた時間のなかで、それぞれが歩み寄ることで解決の糸口を探したい」と述べました。
これに対し、古川知事が「開門調査で有明海(ありあけかい)の環境変化を把握したあとには、それに対応をした対策を講じてもらい、有明海の再生のために取り組んでもらいたい」と述べたほか、有明海沿岸の漁業関係者は、「前倒し(まえだおし)の開門で有明海を宝の海に戻してもらいたい」と述べ、早期の開門実施を求めました。
郡司大臣は、午後からは長崎県諌早市を訪れて、調査に反対している長崎県の中村知事や地元自治体の関係者と意見交換を行なうことにしています。