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第1章 むこうの大臣 The Other Minister(5)

时间: 2023-06-25    进入日语论坛
核心提示:「ご心配めさるな」と、そのときファッジは言った。「たぶん、二度と私に会うことはないでしょう。我が方で本当に深刻しんこくな
(单词翻译:双击或拖选)

「ご心配めさるな」と、そのときファッジは言った。

「たぶん、二度と私に会うことはないでしょう。我が方で本当に深刻しんこくな事態じたいが起こらないかぎり、私があなたをお煩わずらわせすることはありませんからな。マグル――非魔法族ですが――マグルに影えい響きょうするような事態じたいに立ち至らなければということですよ。それさえなければ、平和共存ですからな。ところで、あなたは前ぜん任にん者しゃよりずっと冷静れいせいですなあ。前首相ときたら、私のことを政敵せいてきが仕組んだ悪い冗じょう談だんだと思ったらしく、窓から放り出そうとしましてね」

ここにきて首相はやっと声が出るようになった。

「すると――悪い冗談、ではないと?」最後の、一縷いちるの望みだったのに。

「違いますな」ファッジがやんわりと言った。「残念ながら、違いますな。そーれ」

そしてファッジは、首相の紅茶カップをスナネズミに変えてしまった。

「しかし……」

紅茶カップ・スナネズミが次の演説えんぜつの原稿げんこうの端はしをかじり出したのを見ながら、首相は息を殺して言った。

「しかし、なぜ――なぜ誰だれも私に話して――?」

「魔法大臣は、そのときの首相にしか姿を見せませんのでね」

ファッジは上着のポケットに杖つえを突っ込みながら言った。

「秘密を守るにはそれがいちばんだと考えましてね」

「しかし、それなら」首相が愚ぐ痴ちっぽく言った。

「前首相はどうして私に一言警けい告こくして――?」

ファッジが笑い出した。

「親愛しんあいなる首相閣下かっか。あなたなら誰かに話しますかな?」

声を上げて笑いながら、ファッジは暖炉だんろに粉こなのようなものを投げ入れ、エメラルド色の炎の中に入り込み、ヒュッという音とともに姿を消した。首相は身動きもせずその場に立ちすくんでいた。言われてみれば、今夜のことは、口が裂さけても一生誰にも話さないだろう。たとえ話したところで、世界広しといえども誰が信じるというのか?


    “不用担心,”他说,“你多半不会再见到我了。只有在我们那边出了严重的麻烦,有可能影响到麻瓜,就是那些非巫师人群的时候,我才会来打扰你。除此之外,你就顺其自然好了。对了,我还得说一句,你接受这件事的态度比你那位前任强多了。他以为我是他的政敌派来的一个骗子,要把我扔出窗外呢。”
 
    这时,首相终于找到机会能说话了。
 
    “这么说,你——不是骗子?”
 
    这是他仅存的一点渺茫的希望。
 
    “不是,”福吉温和地说,“对不起,我不是。你看。”
 
    说着他一挥魔杖,就把首相的茶杯变成了一只沙鼠。
 
    “可是,”首相注视着他的茶杯在啃他的下一次演讲稿,上气不接下气地说,“可是,为什么——为什么没有人告诉过我——?”
 
    “魔法部部长只在执政的麻瓜首相面前暴露自己的身份。”福吉说着把魔杖重新插进了衣服里面,“我们认为这样最有利于保持隐蔽。”
 
    “可是,”首相用颤抖的声音说,“为什么前任首相没有提醒我——?”
 
    听了这话,福吉竟然笑出声来。
 
    “我亲爱的首相,难道你会去跟别人说吗?”
 
    福吉仍然呵呵地笑着,往壁炉里扔了一些粉末,然后跨进翠绿色的火苗,呼的一声就消失了。首相一动不动地怔在那里,他知道,只要他还活着,是绝对不敢跟任何人提起这场会面的,在这大千世界里,有谁会相信他呢?
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