ハリーに呪いをかけるはずのロンは、呪じゅ文もんをブツブツ唱となえたいのをこらえて唇くちびるを固く結び、顔を紫色にしていた。ハリーは呪文を撥ね返そうと杖つえを構かまえ、永久にかかってきそうもない呪いを、やきもきと待ち構えていた。
「悲ひ劇げき的てきだな、ウィーズリー」しばらくしてスネイプが言った。
「どれ――我わが輩はいが手本を――」
スネイプがあまりにすばやく杖をハリーに向けたので、ハリーは本ほん能のう的てきに反応した。無言呪文など頭から吹っ飛び、ハリーは叫さけんだ。
「プロテゴ! 護まもれ!」
「盾の呪文」があまりに強きょう烈れつで、スネイプはバランスを崩くずして机にぶつかった。クラス中が振り返り、スネイプが険悪けんあくな顔で体勢たいせいを立て直すのを見つめた。
「我輩が無む言ごん呪じゅ文もんを練習するように言ったのを、憶おぼえているのか、ポッター?」
「はい」ハリーは突っぱった。
「はい、先生」
「僕に『先生』なんて敬語をつけていただく必要はありません。先生」
自分が何を言っているのか考える間もなく、言葉が口を衝ついて出ていた。ハーマイオニーを含む何人かが息を呑のんだ。しかし、スネイプの背後では、ロン、ディーン、シェーマスがよくぞ言ったとばかりニヤリと笑った。
「罰則ばっそく。土曜の夜。我輩の部屋」スネイプが言った。
「何人なんぴとたりとも、我輩に向かって生意気な態度は許さんぞ、ポッター……たとえ『選ばれし者』であってもだ」
罗恩要给哈利施恶咒,脸憋得红红的,嘴巴闭得紧紧的,生怕自己挡不住诱惑轻声念出咒语。哈利举着魔杖,提心吊胆地等着击退一个看来永远不会发过来的咒语。
“真差劲,韦斯莱。”斯内普看了一会儿,说道,“来——让我做给你看——”
说时迟那时快,他突然把魔杖转向了哈利,哈利本能地做出反应,把无声咒的事忘得一干二净,大喊一声:“盔甲护身!”
他的铁甲咒力量太大了,斯内普被击得失去了平衡,撞在一张桌子上。全班同学都转过头来,看着斯内普挣扎着站稳脚跟,满脸怒容。
“你还记得我告诉过你,我们在练习无声咒吗,波特?”
“记得。”哈利生硬地说。
“记得,先生。”
“用不着叫我‘先生’,教授。”
没等他反应过来,这句话已脱口而出。几个同学吃惊得抽了一口冷气,包括赫敏。然而在斯内普身后,罗恩、迪安和西莫的脸上露出了赞赏的笑容。
“关禁闭,星期六晚上,在我的办公室。”斯内普说,“我不允许任何人对我无礼,波特……即便是救世之星。”