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第3章 遺志と意思 Will and Won't(15)

时间: 2023-06-26    进入日语论坛
核心提示:「そなたたちはわしが頼んだようにはせなんだ。ハリーを息子として遇ぐうしたことはなかった。ハリーはただ無視され、そなたたち
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「そなたたちはわしが頼んだようにはせなんだ。ハリーを息子として遇ぐうしたことはなかった。ハリーはただ無視され、そなたたちの手でたびたび残酷ざんこくに扱われていた。せめてもの救いは、二人の間に座っておるその哀あわれな少年が被こうむったような、言ごん語ご道どう断だんの被害ひがいを、ハリーは免まぬかれたということじゃろう」

ペチュニアおばさんもバーノンおじさんも、反はん射しゃ的てきにあたりを見回した。二人の間に挟はさまっているダドリー以外に、誰だれかがいることを期待したようだった。

「わしたちが――ダッダーを虐ぎゃく待たいしたと? なにを――?」

バーノンがかんかんになってそう言いかけたが、ダンブルドアは人指し指を上げて、静かにと合図した。まるでバーノンおじさんを急に口がきけなくしてしまったかのように、沈ちん黙もくが訪おとずれた。

「わしが十五年前にかけた魔法は、この家をハリーが家庭と呼べるうちは、ハリーに強力な保ほ護ごを与えるというものじゃった。ハリーがこの家でどんなに惨みじめだったにしても、どんなに疎うとまれ、どんなにひどい仕打ちを受けていたにしても、そなたたちは、しぶしぶではあったが、少なくともハリーに居場所を与えた。この魔法は、ハリーが十七歳になったときに効きき目を失うであろう。つまり、ハリーが一人前の男になった瞬しゅん間かんにじゃ。わしは一つだけお願いする。ハリーが十七歳の誕たん生じょう日びを迎える前に、もう一度ハリーがこの家に戻もどることを許してほしい。そうすれば、その時が来るまでは、護まもりはたしかに継続するのじゃ」

ダーズリー一家は誰も何も言わなかった。ダドリーは、いったいいつ自分が虐待されたのかをまだ考えているかのように、顔をしかめていた。バーノンおじさんは喉のどに何かつかえたような顔をしていた。しかし、ペチュニアおばさんは、なぜか顔を赤らめていた。

「さて、ハリー……出発の時間じゃ」

立ち上がって長い黒マントの皺しわを伸ばしながら、ダンブルドアがついにそう言った。

「またお会いするときまで」とダンブルドアは挨あい拶さつしたが、ダーズリー一家は、自分たちとしてはそのときが永久に来なくてよいという顔をしていた。帽子ぼうしを脱いで挨拶した後、ダンブルドアはすっと部屋を出た。

「さよなら」

急いでダーズリーたちにそう挨拶し、ハリーもダンブルドアに続いた。ダンブルドアはヘドウィグの鳥籠とりかごを上に載のせたトランクのそばで立ち止まった。「これはいまのところ邪魔じゃまじゃな」

ダンブルドアは再び杖つえを取り出した。

「『隠かくれ穴あな』で待っているように送っておこう。ただ、『透とう明めいマント』だけは持っていきなさい……万が一のためにじゃ」

トランクの中がごちゃごちゃなので、ダンブルドアに見られまいとして苦労しながら、ハリーはやっと「透明マント」を引っぱり出した。それを上着の内ポケットにしまい込むと、ダンブルドアが杖を一振りし、トランクも鳥籠も、ヘドウィグも消えた。ダンブルドアがさらに杖を振ると、玄げん関かんの戸が開き、ひんやりした霧きりの闇やみが現れた。

「それではハリー、夜の世界に踏ふみ出し、あの気まぐれで蟲こ惑わく的てきな女性を追求するのじゃ。冒険ぼうけんという名の」


    “你们没有按我说的去做。你们从来不把哈利当成自己的儿子。他在你们手里,得到的只是忽视和经常性的虐待。不幸中的万幸,他至少逃脱了你们对坐在你们中间的那个倒霉男孩造成的那种可怕伤害。”
 
    佩妮姨妈和弗农姨父都本能地转过目光,似乎以为会看见挤坐在他们中间的不是达力,而是别的什么人。
 
    “我们——虐待达力?你这是——?”弗农姨父气愤地说,可是邓布利多举起一只手示意安静,屋里立刻静了下来,仿佛他一下子把弗农姨父变成了哑巴。
 
    “我十五年前施的那个魔法,意味着在哈利仍然可以把这里当家的时候,他会得到强有力的保护。他在这里不管过得多么可怜,多么不受欢迎,多么遭人虐待,你们至少还很不情愿地给了他一个容身之处。当哈利年满十七岁,也就是说,当他成为一个男人时,这个魔法就会失效。我只要求一点:你们在哈利十七岁生日前允许他再次回到这个家,这将保证那种保护力量一直持续到那个时候。”
 
    德思礼一家谁也没有吭声。达力微微皱着眉头,似乎还在琢磨他到底受到了什么虐待。弗农姨父看上去像是喉咙里卡了什么东西。佩妮姨妈呢,却莫名其妙地涨红了脸。
 
    “好了,哈利……我们该出发了。”邓布利多最后说道。他站了起来,整了整长长的黑斗篷。“下次再见。”他对德思礼一家说,而从他们的表情看,他们希望永远不要再见才好。然后,邓布利多戴上帽子,快步走出了房间。
 
    “再见。”哈利匆匆向德思礼一家道了个别,便也跟了出来。邓布利多在哈利的箱子旁停住脚步,箱子上还放着海德薇的鸟笼子。
    “现在我们可不想带着它们碍事,”他说着又抽出了魔杖,“我把它们送到陋居,让它们在那儿等着我们吧。不过,我希望你把隐形衣带上……以防万一。”
 
    哈利费了一些力气才把隐形衣从箱子里抽出来,因为他不想让邓布利多看到箱子里有多乱。等他把隐形衣塞进夹克衫里面的口袋,邓布利多一挥魔杖,箱子、笼子和海德薇便一下子全消失了。然后,邓布利多又挥了一下魔杖,大门便朝着寒冷的、雾蒙蒙的夜色敞开了。
 
    “好了,哈利,让我们走进黑夜,去追逐那个轻浮而诱人的妖妇——冒险吧。”
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