「気持のよいものではないのう」
ダンブルドアが重い声で言った。
「そう、何か恐ろしいことが起こったのじゃ」
ダンブルドアは注意深く部屋のまん中まで進み、足下の残骸をつぶさに調べた。ハリーもあとに従い、ピアノの残骸や引っくり返ったソファの陰かげに死体が見えはしないかと、半分びくびくしながらあたりを見回したが、そんな気配はなかった。
「先生、争いがあったのでは――その人が連れ去られたのではありませんか?」
壁の中ほどまで飛び散る血痕けっこんを残すようなら、どんなにひどく傷ついていることかと、つい想像してしまうのを打ち消しながら、ハリーが言った。
「いや、そうではあるまい」
ダンブルドアは、横倒しになっている分厚すぎる肘ひじ掛かけ椅い子すの裏側うらがわをじっと見ながら静かに言った。
「では、その人は――?」
「まだそのあたりにいるとな? そのとおりじゃ」
ダンブルドアは突然さっと身を翻ひるがえし、膨ふくれすぎた肘掛ひじかけ椅い子すのクッションに杖つえの先を突っ込んだ。すると椅子が叫さけんだ。
「痛い!」
「こんばんは、ホラス」
ダンブルドアは体を起こしながら挨あい拶さつした。
ハリーはあんぐり口を開けた。いまのいままで肘掛椅子があったところに、堂々と太った禿はげの老人がうずくまり、下したっ腹ぱらをさすりながら、涙なみだ目めで恨うらみがましくダンブルドアを見上げていた。
「そんなに強く杖で突く必要はなかろう」
男はよいしょと立ち上がりながら声を荒らげた。
「痛かったぞ」
“不太好看,是不是?”他沉重地说,“是啊,这儿发生了一起恐怖事件。”
邓布利多小心地走到屋子中间,仔细观察着脚边的破碎残片。哈利跟了过去,打量着四周,隐隐地担心会看见什么可怕的东西藏在残破的钢琴或翻倒的沙发后面,但他并没有看见尸体的影子。
“也许有过一场搏斗,后来——后来他们把他拖走了,是吗,教授?”哈利猜测道,他尽量不去想象一个人受了多么严重的伤,才会在墙上那么高的地方溅上那些血迹。
“我不认为是这样。”邓布利多平静地说,一边朝翻倒在地的一把鼓鼓囊囊的扶手椅后面看了看。
“你是说他——?”
“仍然在这里?没错。”
说时迟那时快,邓布利多突然出手,把魔杖尖扎进了鼓鼓囊囊的扶手椅的椅垫,椅子发出一声惨叫:“哎哟!”
“晚上好,霍拉斯。”邓布利多说着重新站直了身子。
哈利吃惊地张大了嘴巴。刚才还是一把扶手椅,眨眼之间却变成了一个秃顶的胖老头儿蹲在那里。他揉着小肚子,眯起一只痛苦的、泪汪汪的眼睛看着邓布利多。
“你没必要用魔杖扎得那么狠嘛。”他气呼呼地说,费劲地爬了起来,“疼死我了。”